HLA(ヒト白血球型抗原)技術情報用語集
移植片対宿主病(GVHD)
移植片対宿主病(graft-versus-host disease; GVHD)は移植細胞・移植臓器に含まれるドナーの免疫系細胞(主にT細胞)により惹起される有害な免疫反応で特に同種造血幹細胞移植において高頻度に発症します。GVHDには移植後3ヶ月以内に起こる急性GVHDと移植後3ヶ月以降に起こる慢性GVHDがあります。急性GVHDは皮疹・黄疸・下痢などの症状を特徴とし、重症化しないようモニタリングすることが重要です。慢性GVHDは急性GVHDに比べ直ちに重症化するリスクは低いものの、口腔粘膜、皮膚、関節、消化器、生殖器などの生活の質(QOL)を低下させるような症状が現れます。
(参考文献) (参照文献)一般社団法人 日本組織適合性学会編集広報委員会,移植・輸血検査学,ぱーそん書房,2024,p174-176