HLA(ヒト白血球型抗原)技術情報用語集
プロゾーン様現象
抗HLA抗体検査におけるプロゾーン様現象とは検体中に過剰な補体が存在することで二次抗体の反応が阻害され、偽陰性となる現象のことを指します。 Luminex法の抗HLA抗体検査の原理は下記の通りです。
① 試薬ビーズのHLA抗原と検体中の抗HLA抗体を反応させる。
② 結合した抗HLA抗体に蛍光を発する、PE標識抗ヒトIgG 抗体を結合させる。
③ Luminex(LABScan3Dシステム)によりビーズの蛍光値を計測することで検体中の抗HLA抗体を検出する。
検体中の補体成分が過剰に存在する場合、①で補体成分が抗HLA抗体と結合してしまいます。このため②でPE標識抗ヒトIgG 抗体が抗HLA抗体に結合ができなくなり偽陰性になります。
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補体活性の高い検体でLABScreen検査を行う場合はEDTA処理をお勧めします。
【方法】
• 血清90 μLに0.5M EDTA(メーカー不問)2 μL添加
EDTAの濃度を約10 mMとなるように調整する
溶液状態のEDTAの利用を推奨
• 室温で10分間振とうしながら反応させる
• 20,000 gで10分間遠心、上清を使用