ラーニングコーナー
2018/05/14
ヒトES/iPS細胞における品質管理の考え方:細胞品質管理のタイミング
- 用途別細胞培養
ヒト多能性幹細胞(ヒトES/iPS細胞、hPSCs)培養システムにおける遺伝的変異は、内在的な要因 - 選択(Selection)- に限りません。ヒト多能性幹細胞に関わる全体のワークフローを通して、複数のステップ(リプログラミング、維持・継代培養、ゲノム編集、分化など)において遺伝的変異の可能性が考えられます。
動画のご紹介
ヒト多能性幹細胞(hPSC)の生物学の概要、hPSCの品質と特性を評価する方法、プレートコーティング、培地の選択肢、継代から凍結保存までhPSC培養を維持する方法を動画で紹介
Complete a Virtual Training Course on Pluripotent Stem Cell Quality and Maintenance
(動画の視聴にはSTEMCELL Technologies社ウェブサイトにて登録が必要です)
hPSC培養システムにおける変異の可能性
hPSC品質の考え方 - あなたの細胞は正常 or 異常?
hPSC全体のワークフローを通した遺伝的変異の可能性
リプログラミング Reprogramming
体細胞をiPS細胞に初期化する過程では、細胞の選択やウイルスベクターによる導入時に挿入変異を誘発する可能性があります。
新たに樹立したヒトiPSC系には核型スクリーニングが必要となります。
維持 Maintenance
ルーチンの維持・継代培養(凍結/解凍も含む)でも、遺伝的異常を引き起こす可能性があります。
遺伝的異常を引き起こした場合、hPSCの生存率および増殖率、または下流のアプリケーションに影響する可能性があります。
ゲノム編集 Genome Editing
ゲノム編集ワークフローには、遺伝的異常のクローン選択の機会を増やすいくつかのステップが含まれます。
例:トランスフェクション、シングルセルプレート、ゲノム編集のオフターゲット効果など
分化 Directed Differentiation
分化は潜在的に選択(selection)プロセスに寄与する可能性があります。
遺伝的異常は、幹細胞の分化能に影響を及ぼし、および/または細胞を特定の細胞系統(lineage)に偏向させる可能性があります。
細胞品質のチェックツール
もっとも迅速で費用対効果の高い、hPSC核型異常検出法
ヒト多能性幹細胞の核型異常検出のためのqPCR解析キット
hPSC Genetic Analysis Kit(製品コード:ST-07550)
- 従来法よりコストが劇的に削減
- 細胞を回収してから結果が得られるまで、わずか3時間以内
hPSC Genetic Analysis Kitのワークフロー
hPSC Genetic Analysis Kitを選ぶべき理由
- 簡便:プライマー/プローブミックスを含むAll-in-oneキット
- 複数のヒト多能性幹細胞株の遺伝子スクリーニングが可能
- 高精度:Gバンド染色で検出不可能な異常を検出可能
hPSC Genetic Analysis Kit:国内ユーザー様の声
遺伝子導入株やゲノム編集等のクローンの品質管理目的で使用しました。複数の株を低コストで簡便にスクリーニングできるのが良いです。
(K大学医学部・M様)
Gバンド法による核型解析と比べて、非常に簡便で使い易かったです。今後も利用したいです。
(H大学医学部・H様)
疾患由来iPS細胞株の核型異常を見つけることができました。
Gバンド法と比べてコストが大幅に低く、短時間の操作で結果が出ました。
データ解析用ツールも便利でした。
(T大学研究所・L様)
これまで核型解析は行っていませんでしたが、ヒトiPS細胞6株中3株で核型異常が示唆されました。
簡便で良かったので今後も利用したいです。
(O大学薬学部)