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ラーニングコーナー

2021/02/01

IntestiCult™ Organoid Growth Medium (Mouse)を用いた腸上皮オルガノイドの形成

  • 用途別細胞培養

3次元(3D)培養システムは、多細胞系の生物学的メカニズムの基礎研究や個別化医療、創薬における従来のin vitroハイスループットスクリーニングとin vivoの研究間のギャップの架け橋などとしての利用可能性があり、その利用範囲は拡大し続けています1,2。3D培養システムは、器官培養が従来の単層培養技術よりもさらに生理的状況を反映したin vitroモデルであるという認識が高まってきた事により、その適用が進んできました1,2。腸上皮オルガノイド培養システムにおいて、腸幹細胞はin vivoの成体腸上皮で観察される自己複製能と分化ヒエラルキーを再現します (Figure 1)。成体腸管上皮に存在する既知の細胞種が全て見られる事に加え、腸オルガノイドではCrypt(陰窩)とVilli(絨毛)の構造形成、上皮細胞の極性、機能的な管腔構造3,4も見られることから、腸管の生物学や腸幹細胞の性質を調査する上で強力なツールとなっています3,4。腸オルガノイドはまた、化学的に損傷を与えたマウス結腸に取り込まれ、周囲の上皮と形態的に区別がつかない結腸組織のセグメントを形成できることが示されたことから、再生医療への寄与の可能性についても探求されています5。腸オルガノイドを用いてバクテリアや免疫細胞との共培養も問題なくおこなわれており、上皮組織と免疫システム間における細胞間相互作用研究のモデルとなっています6,7。また、マウスの腸オルガノイドはCRISPR-Casシステムやレトロウィルス・レンチウィルス感染を利用した遺伝子操作にも適しています8,9

本技術報告では、IntestiCult™ Organoid Growth Medium (Mouse)とCorning® Matrigel® Matrix #356230を用いて、マウス小腸および結腸の陰窩(Crypt)を分離・培養・継代および凍結保存するプロトコルについてステップごとにご説明しています。

併せて、こちら(https://www.stemcell.com/intestinal-epithelial-organoid-culture-with-intesticult-organoid-growth-medium-mouse-lp.html)もご確認ください。

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Figure 1. マウス腸上皮オルガノイド5日間培養後の光学顕微鏡像(10X)

Section 1: マウス腸陰窩の分離

  1. 陰窩分離の当日、IntestiCult™ Basal Mediumを冷蔵庫から出し、ベンチトップに静置して室温(15-25℃)に温めます。IntestiCult™ Supplement 1とSupplement 2はフリーザーから出し、室温で解凍します。Supplement 1とSupplement 2はそれぞれ、上下にピペッティングしてよく混合します。
    ご注意: 解凍したらすぐにご使用ください。
  2. 5 mLのSupplement 1と5 mLのSupplement 2をそれぞれBasal Medium のボトルに添加して、完全培地を作製します。ボトルのキャップを閉めて、ボトルを数回反転させて培地を混合してください。
  3. 培地は使用前に室温(15-25℃)になっている必要があります。本プロトコールに従ってマウス小腸または結腸から分離した陰窩を使用して12個のウェル(3つの播種密度それぞれにつき4ウェル使用します)でオルガノイド培養を開始する場合、12 mLの完全培地が必要です。
  4. 必要な抗生物質を使用直前に完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)に添加します。STEMCELL Technologies社では抗生物質としてゲンタマイシン50 µg/mL、またはペニシリン100 units/mL・ストレプトマイシン100 µg/mLを推奨しています。
    IntestiCult™ Organoid Growth Mediumの分注と保存

    完全培地は2-8℃で2週間まで保存が可能です。凍結解凍の繰り返しを避けるため、完全培地は適当な容量で分注して保存してください。
    その場合、-20℃で3ヶ月までの保存が可能です。一度解凍した分注培地は再び凍結しないで下さい。
  5. 本プロトコールに必要な他の培地や試薬を調製します。Corning® Matrigel® Matrix 500 µL #356230を氷上に静置して解凍します。STEMCELL Technologies社ではCorning® Matrigel® Growth Factor Reduced (GFR) Basement Membrane Matrix,Phenol Red-Free (Corning® Product #356231)を推奨しています。PBS without Ca++ and Mg++ (Catalog #37350)500 mL、0.1% BSA/PBS 100 mL、DMEM/F-12 with 15 mM HEPES 25 mLを氷上に静置します。Gentle Cell Dissociation Reagentを室温(12-25℃)の環境に静置します。組織培養用(Tissue culture (TC)-treated)の24ウェルプレート (Corning® Product #3526)を37°Cのインキュベーターで30分以上インキュベートし、予め温めておきます。
    ご注意: Matrigel® ドームがオルガノイド培養のために理想的な構造をとれるよう、組織培養用(Tissue culture (TC)-treated)のプレートを使用するようにしてください。
  6. マウスを倫理規制に従い屠殺し、胃に近い方から20 cmの小腸組織を回収します。小腸外部から膜、血球、脂肪を取り除く際には先端の尖ったピンセットを使用して下さい (Figure 2)。 腸の組織片は5 mLの冷却(2 - 8°C) PBSが入った10 cmディッシュに入れて下さい。

    結腸を使用する場合
    :マウス1匹から結腸を使用する場合には、この下のプロトコールに従ってその後の処理をおこなう事が可能ですが、初心者ユーザーの場合にはばらつきの度合いが大きいため、初めて本プロトコールでおこなう場合には2,3匹分のマウスの結腸を使用してより高い播種密度でおこなえるようにしてください。
    屠殺後のマウスから1匹につき3 - 6 cmの結腸を採取します; 余分な毒素や老廃物が培養系に混入するのを防ぐため、結腸は盲腸の下数ミリ、直腸の上数ミリの部分を切断します。幹細胞が最も高密度で含まれているのは近位結腸であることにご留意ください。このため、直腸付近から採取した組織が多くなると、得られる陰窩の数は少なくなります。
    FotoJet (1).jpg

    Figure 2. マウス腸の分離: (A) マウス腸からの外皮膜と脂肪の除去; (B)外皮膜除去後に回収されたマウス腸断片。

  7. 腸組織の片側開口部に1 mLピペットチップを入れ、1 mLの冷却 (2 - 8°C) PBSを流しこむ事により、腸組織片内部の洗浄をおこないます。
  8. 小型のハサミを用いて、腸組織片を縦に切開し (Figure 3A)、腸の内腔が上を向いた形になるように開きます。 マイクロピペットを用いて1 mL の冷却(2 - 8°C)PBSで3回穏やかに洗浄します (Figure 3B)。
    FotoJet.jpg

    Figure 3. マウス腸組織片の処理ステップ:(A)腸組織片の切開;(B)冷却PBSでの腸組織片の洗浄。

    ご注意ポイント: ピペットやピペットチップは予め湿らせておいて下さい

    実験作業中は組織がピペットの壁に付着してしまうのを防ぐため、腸組織片や陰窩を扱う前にピペットとピペットチップを湿らせておく必要があります。
    ご注意ポイント:遠心速度をよくご確認ください

    この工程では200 x g と290 x g、2種類の遠心速度がよく使用されています。
  9. 腸組織片を、新しい冷却(2 - 8°C)PBS 15 mLを入れた清潔な10 cmディッシュに移します。ピンセットを用いて腸組織片を清潔なバッファーの中で動かし、しっかりと濯ぎをおこないます。
  10. 15 mLの冷却 (2 - 8°C) PBS を50 mLコニカルチューブに入れます。ピンセットを用いて洗浄後の腸組織片を掴み、チューブの片側に寄せます。ハサミを使い、腸の下部の方から2 mmほどの小片に切り刻みます。こうする事により、これらの小片がチューブ内のバッファーの中に落ちて浸るようになります。
  11. 10 mL血清用ピペットをPBSで予め湿らせておき、それを用いて腸組織片を3回上下に穏やかにピペッティングします。
  12. 組織小片は重力でチューブの底に落下させ(約30秒かかります;Figure 4A)、組織片がちょうど浸る程度残して上清を穏やかに吸引します(Figure 4B)。
  13. 15 mLの新しい冷却 (2 - 8°C) PBS を添加し、組織の懸濁液を上下に3回ピペッティングして濯ぎの工程を繰り返します。ピペットは予め湿らせてある10 mL血清用ピペットを使用します。
  14. 同じピペットを使用し、ステップ12〜13をさらに15〜20回、または上清が透明になるまで繰り返しおこないます(Figure 4C)。
    結腸を処理する場合: 小腸の場合とは対照的に、結腸由来の 陰窩を分離する際には冷却 (2 - 8°C) PBS で3〜5回洗浄するだけで上清が透明になります。見た目は透明になりますが、結腸の組織片は次のステップに進む前に別途冷却 PBSで15回洗浄する必要があります。
  15. 上清を除去して組織片を室温(15 - 25°C) のGentle Cell Dissociation Reagent 25 mLに再懸濁し、振盪器に入れて20 rpmで旋回させながら室温(15 - 25°C)で15分間インキュベートします。
    結腸を処理する場合: インキュベーション時間を20分間に延ばしておこなって下さい。
  16. 組織小片は約30秒かけて重力によりチューブの底に落下させます。上清はピペットで穏やかに吸引して廃棄します。この時、組織がちょうど液に浸る程度の上清は残します。
  17. 組織片は冷却(2 - 8°C) 0.1% BSA/PBS 10 mLに再懸濁し、ピペッティングを上下に3回おこないます。腸組織片の大部分がチューブの底に落ちてくるまで待ちます(約30秒かかります)。
  18. 同じピペットを使って上清を吸引し、それを70 µm のフィルターに通します。フィルターを通過した液は新しい50 mLコニカルチューブに回収します。フィルターを廃棄し、回収した液には”Fraction 1”とラベルして氷上に残しておいて下さい。
  19. Fraction 2〜4を得るため、ステップ17〜18を3回繰り返しおこなって下さい。
    結腸を処理する場合: マウス結腸ではデブリや老廃物の残留があるため、さらに1〜2個多くFraction(各分)を取る必要になる場合があります。4つ目までのFractionを回収後、それぞれのFractionから1 mL取って6ウェルプレートの1ウェルにそれぞれ播種し、その後明視野顕微鏡で倍率4倍にて観察します。もしもFraction 3と4に扁平な繊維状の物質が多く見られた場合には、ステップ17〜18を再度行い、Fraction 5と6を作成します。もしもFraction 3と4の像がクリーンに見えた場合には、ステップ20の遠心へと進みます。追加のFractionを回収した場合にも、その後はステップ20へと進んで下さい。
  20. 得られたFractionを290 x g、2-8℃で5分間遠心します。各チューブにペレットが残るよう注意しながら上清を流して除去します。
  21. それぞれのペレットを、2 - 8°Cに冷却した0.1% BSA/PBS 10 mLに再懸濁します。各懸濁液はFraction番号をラベルした新しい15 mLコニカルチューブに移します。
  22. 4つのFractionサンプルを200 x g、2-8℃で3分間遠心します。遠心後は穏やかに上清を流して除去します。ペレット化した陰窩はチューブに残ります。
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    Figure 4. マウス腸組織片の洗浄ステップ
    (A) チューブの底に沈殿した腸組織片; (B) 上清吸引後の腸組織片; (C) 洗浄1回目(左)と20回目(右)の上清。

Section 2: マウス腸陰窩を用いたオルガノイド培養

  1. 陰窩の各Fractionを冷却(2 - 8°C) DMEM/F-12 10 mLで懸濁します。
  2. 各Fractionから1 mL取り、6ウェルプレートの各ウェルに添加して倒立顕微鏡で品質評価をおこないます(評価をおこなった後、これらのサンプルは元のFractionに戻すことが可能です)。後のオルガノイド培養に使用するため、腸陰窩が多く含まれているFractionを1,2個選びます。培養に使用する陰窩の大きさは様々でも問題ありませんが、典型的には境界が比較的滑らかな長方形または円形をしており、似通った小さな、折り畳まれた上皮単相の領域を持っています (Figure 5A、5B)。絨毛、シングルセル、デブリが高密度に見られるFractionはオルガノイド培養には不向きなものとなります。望ましい形態の陰窩は、多くの場合Fraction 3や4に最も豊富に含まれています。
  3. 予め湿らせたピペットチップを使用して、選択したFractionから10 µLのサンプルを採取し、スライドグラスまたは血球計算盤にアプライします。倒立顕微鏡を使って、分注したサンプル中の陰窩の数をカウントします (Figure 5C)。シングルセル、多層からなる大きな組織断片はカウントしないで下さい。カウントした数値に100を掛け、Fraction 1 mL中の陰窩の数を算出します。
  4. 選択したFractionにおいて、約500、1500、3000個の陰窩が含まれる容量を算出します。算出した必要容量を、ラベリングした15 mLコニカルチューブにそれぞれ移し、200 x g、2 - 8°C で5分間遠心します。その後ピペットで注意深く上清を除去します。
  5. 各チューブのペレットに室温(15 - 25°C)の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium) 150 µLを添加します。冷たい培地は使用しないで下さい。
    例: 陰窩を含むFractionにおける容量計算

    10 µL の分注サンプル中でカウントされた陰窩の数が 15個の場合
    15 x 100 = ステップ4で遠心されるFractionサンプル1mLに含まれる陰窩の数は約1,500個 (1500 crypts):

    0.33 mL には 500 crypts
    1.0 mL には 1500 crypts
    2.0 mL には 3000 crypts
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    Figure 5. 分離された腸陰窩の培養前品質評価
    腸陰窩Fractionの光学顕微鏡像(容量:6ウェルプレートのウェルに1 mL) (A) Fraction 2を倍率2倍で観察した際の像; (B) Fractions 3と4を混合して倍率10倍で観察した際の像; (C)オルガノイド培養に適した腸陰窩の光学顕微鏡像(血球計算盤に10 µL使用)。緑の丸で囲まれた腸陰窩がオルガノイド培養に適した、Fraction中の陰窩濃度の計算に反映させるべき陰窩です。赤い丸で囲まれたものは絨毛、組織片やデブリであり、オルガノイド培養には適さないものです。


  6. 各チューブに原液のMatrigel® Matrix 150 µLを添加します。同じピペットチップを使い、注意深く上下に10回ピペッティングしてペレットを再懸濁します。泡立てないようにおこなって下さい。
  7. 500個の陰窩が入っている懸濁液からピペットで注意深く50 µL 取り、予め温めた24ウェルプレートのウェルの中央に乗せます。これを4ウェル分作成します。 プレートにアプライする際の泡立ちを防止するためにピペットの押し出しは第一ストップまでにして下さい。サンプルは各ウェルの中でドーム状になっている必要があります(Figure 6)。1500個、3000個の陰窩が入っている懸濁液についても同様の作業をおこない、合計12ウェルのサンプルを作成します。
    ご注意: Matrigel® の凝固が始まりますので、手早く作業して下さい。
    FotoJet (1).jpg

    Figure 6. Matrigel® の培養ドーム
    陰窩を含んだ培養ドーム(Matrigel® MatrixとIntestiCult™ Organoid Growth Mediumの混合比1:1)の写真。(A)上から撮影した写真。(B)横から撮影した写真。


  8. Matrigel®を凝固させるため、プレートを37℃のインキュベーターに10分間静置します。プレートをインキュベーターに入れる際にドームを崩さないように気をつけて下さい。
  9. 各ウェルに室温(15 - 25°C)の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium) 750 µLを添加します。添加はピペッティングでおこない、培地はウェルの壁を伝って穏やかに加えます。ドーム状の培養系の上で直接ピペッティングしないようにして下さい。
  10. 培養系で適切な湿度を維持するため、未使用のウェル全てに無菌PBSを添加します。
  11. 培養プレートに蓋を乗せ、37°C、CO2濃度5%のインキュベーターでインキュベートします。
  12. オルガノイドの増殖をモニタリングします。通常陰窩は、インキュベーション3時間後程度で球形の構造を形成します(Figure 7A)。インキュベーション2〜4日後、通常の場合小腸オルガノイドは出芽を始め (Figure 7B)、インキュベートから5〜7日目には複雑で多葉性の構造を形成します (Figure 7C)。
    結腸を処理する場合
    : 結腸陰窩を使用する場合はマウス小腸とは異なり、オルガノイドの生育はよりゆっくりとしたものになります。Day 2までに小さな嚢胞性のオルガノイドが見え始め(Figure 7D)、Day 3〜7の間にオルガノイドのサイズは大きくなってゆきます (Figure 7E). 小腸由来のオルガノイドの場合ほどはっきりとはしていないものの、Day 7〜10になるとコロニー状のオルガノイドは芽状の構造を形成します (Figure 7F)。
  13. 1週間に3回、全量培地交換をおこないます。培地交換の際にはピペットチップをウェル底の端につけ、入っている培地を注意深く吸引します。新しい室温(15 - 25°C)の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium) 750 µLを添加して培地交換をおこないます。
  14. オルガノイド内腔の異常増殖やデブリの過剰な蓄積を防ぐために、培養7〜10日後に継代比率1:6で継代をおこないます。継代プロトコールについてはセクション3に従っておこなって下さい。
    結腸を処理する場合: オルガノイドの継代は、播種後10日、または1ウェルあたり150個のオルガノイドが見られる密度になったら継代比率1:2でおこなって下さい。
    28223-Fig07-1.jpg

    Figure 7. 播種・インキュベーション後の小腸または結腸由来オルガノイド培養の時間スケール
    腸陰窩を37°C、 CO2濃度5%で1、5、7日間インキュベーション後、Matrigel® MatrixとIntestiCult™ Organoid Growth Mediumの混合比1:1で作成したドームで培養した際の光学顕微鏡像。(サンプルとインキュベート期間:小腸 (A) Day 1 (B) Day 5 (C) Day 7と結腸 (D) Day 1 (E) Day 3 (F) Day 7)

Section 3: マウス腸オルガノイドの継代

  1. 継代当日に、予め作製しておいた完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)を冷蔵庫または冷凍庫から室温(15 - 25°C)に出しておきます。培地は使用前に必ず室温に温めておいてください。継代には1ウェルあたり1 mLの完全培地が必要です。完全培地を準備していなかった場合には、本プロトコールのSection 1のステップ1と2を参照して作製して下さい。
  2. 必要な抗生物質をIntestiCult™ Organoid Growth Mediumに添加します(培地解凍後におこなって下さい)。STEMCELL Technologies社ではゲンタマイシン50 µg/mL、またはペニシリン100 units/mL・ストレプトマイシン100 µg/mLを推奨しています。
  3. 作業行程の中で必要となる培地やバッファー、試薬類を準備します。継代する1ウェルあたり150 µL のMatrigel® Matrix (Corning® Product #356231) を氷上で解凍します。また、Gentle Cell Dissociation Reagentと継代する1ウェルあたり10 mLの DMEM/F-12 with 15 mM HEPESを氷上に静置します。必要な枚数の組織培養用(Tissue culture (TC)-treated)の24ウェルプレート (Corning® Product #3526)を37°C インキュベーターに入れ、予め30分間温めておきます。
  4. 継代するウェル内の培地をそれぞれ除去します。このとき、オルガノイドの入ったMatrigel®のドームを崩さないようにして下さい
  5. 各ウェルに入っているドームの頂上に1 mLのGentle Cell Dissociation Reagentを添加し、室温(15 - 25°C)で1分間インキュベートします。
  6. 1000 µLピペットチップをウェルに入れて(ウェルに添加した)Gentle Cell Dissociation Reagentで予め湿らせ、その後上下にピペッティングしてドームおよびオルガノイドを崩します。ピペッティングは20回程度おこないます。
  7. 同じピペットチップを使って細胞懸濁液を15 mLコニカルチューブに移します。ウェルにさらにもう1 mLのGentle Cell Dissociation Reagentを添加してリンスし、そのリンス液も15 mLコニカルチューブに回収します。
  8. 継代する各ウェルに対してステップ6と7を繰り返しおこないます。
  9. 15 mLチューブを振盪器にセットして室温(15 - 25°C)、20 rpmで10分間インキュベートします。
  10. チューブを290 x g、2 - 8°Cで5分間遠心後、上清を穏やかに流して除去します。
  11. 予め湿らせておいた10 mL血清用ピペットを使い、10 mLの冷却(2 - 8°C) DMEM/F-12に再懸濁してペレットを洗浄します。その後サンプルを200 x g、2 - 8°Cで5分間遠心し、ペレットを崩さないようにしながら穏やかにピペットで可能な限りDMEM/F-12を吸い取って除去します。
  12. 各チューブのペレットに、室温(15 - 25°C)の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)を150 µL添加します。150 µLのMatrigel® Matrix (未希釈)を各チューブに添加し、10回上下にピペッティングしてペレットを再懸濁します。気泡を出さないようにしておこなって下さい。
  13. 各チューブから50 µLの培地+Matrigel®の懸濁液をピペットで採取し、各チューブから4ウェルずつ、予め温めておいた24ウェルプレートの各ウェル中央にドーム状の液滴を作って播種します。
  14. 培養プレートに蓋をかぶせ、Matrigel®をコーティング安定させるため37℃で10分間インキュベートします。
  15. 室温(15 - 25°C)の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)750 µLを各ウェルに添加します。培地の添加はピペッティングにより、ウェルの壁から培地を穏やかにつたわせておこなって下さい。ドームの上から直接培地を添加しないで下さい。
  16. 全ての未使用ウェルに無菌PBSを入れて下さい。
  17. 培養プレートに蓋をかぶせ、37°C、 CO2濃度5%でインキュベートします。
  18. 細胞培養中、培地は1週間に3回交換します。培地交換の際にはピペットチップをウェルの底の端につけながら注意してウェルの培地を吸引します。その後、新しい室温(15 - 25°C)の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)750 µLをウェルに添加します。

この培養システムにより、オルガノイドを何度でも継代することができます。

Section 4: マウス腸オルガノイドの凍結保存

本プロトコールでは、クライオバイアル1本あたり200個のオルガノイドが入ったもの(推奨)を凍結保存および解凍する方法について記載しています。最良の結果を得るためには、オルガノイドが成熟している段階で凍結保存する事が最も重要です。

ご注意: 腸オルガノイドは初代培養または凍結サンプルから2継代後に凍結保存が可能です。しかしその場合には、成熟して多数出芽が見られるオルガノイドである必要があります。小腸由来のオルガノイドは培養後5〜7日で成熟します (Figure 8A)。結腸オルガノイドの場合、成熟はよりゆっくりとしていて明確な出芽は少なく、培養後7〜10日で成熟します (Figure 8B)。

  1. 本プロトコールをおこなうために必要な培地と試薬類を準備します。PBS without Ca++ and Mg++ (Catalog #37350)、DMEM/F-12 with 15 mM HEPES、 CryoStor® CS10は氷上に置いて冷却します。 凍結保存するオルガノイドが入ったプレートをインキュベーターから回収します。
  2. 倒立顕微鏡を用いて各ウェルに観察される成熟オルガノイドをカウントします。クライオチューブ1本あたり200個のオルガノイドを確保するため、必要に応じて複数ウェルのオルガノイドを合わせます。
  3. オルガノイドが入っている各ウェルのIntestiCult™ Organoid Growth Mediumを除去し、1 mLの冷却(2 - 8°C)PBSを添加します。
  4. Matrigel® Matrix を上下に10〜20回ピペッティングすることにより崩します。ピペッティングにはPBSで予め湿らせた1000 µL ピペットチップを使用します。必要に応じて複数ウェルのオルガノイドを併せ、200個のオルガノイドが含まれる懸濁液を作り、これを15 mLコニカルチューブに移します。
  5. PBSで予め湿らせた1000 µL ピペットチップを使用して、各ウェルに1 mLの冷却(2 - 8°C)PBS を添加し、上下に5回ピペッティングすることによりウェルを洗浄します。洗浄した液は15 mLコニカルチューブに移します。
  6. 回収したオルガノイドを290 x g、2 - 8°Cで5分間遠心してペレット化します。オルガノイドのペレットを崩さないように注意しながら遠心後の上清を除去して廃棄します。
  7. オルガノイドのペレットを7〜10 mLの冷却DMEM/F-12 with 15 mM HEPESに懸濁して洗浄します。ペレットを崩すため必要に応じてチューブを穏やかに弾くか、チューブの内容物を穏やかにピペッティングします。懸濁液は200 x g、2 - 8°Cで5分間遠心し、注意深く上清を除去して廃棄します。
  8. オルガノイドのペレットを冷却(2 - 8°C) CryoStor® CS10細胞凍結保存用培地で再懸濁します。この再懸濁は200個のオルガノイドが入ったクライオバイアル1本につき、1 mLの冷却(2 - 8°C) CryoStor® CS10培地を用いておこないます。
  9. 同じピペットチップを使って、CryoStor® CS10のオルガノイド懸濁液を(ラベル記入済みの)クライオバイアルに移します。その後クライオバイアルは500 mLのイソプロピルアルコール(IPA)と一緒にフリージングコンテナに入れるかIPAフリーの凍結コンテナに入れます。
  10. フリージングコンテナを-80°C のフリーザーで24時間インキュベートし、長期保存の場合にはその後液体窒素(-135°C) に入れます。腸オルガノイドの場合、-135°C で6ヶ月間の保存が可能です。-80°C での長期保存はおすすめしません。
    FotoJet.jpg

    Figure 8. Matrigel® Matrix:IntestiCult™の混合比1:1で作成したドーム内で培養した成熟オルガノイドの光学顕微鏡像(倍率10x)
    オルガノイドの培養にはOrganoid Growth Medium を使用し、 37°C、 CO2濃度5%で 培養しました。(A) 培養5日後の小腸オルガノイドと (B) 培養10日後の結腸オルガノイド。

Section 5: マウス腸オルガノイドの解凍

  1. 120 µLのMatrigel® Matrix (Corning® Product #356231)を氷上で解凍し、予め調製した完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)は室温(15 - 25°C)に戻します。24ウェルプレート4ウェル分にはこの完全培地が3.1 mL必要です。もしIntestiCult™の完全培地をお持ちでない場合には、本プロトコールSection 1のステップ1〜4を参照し調製してください。24ウェルの組織培養用(TC-treated)プレート (Corning® Product #3526)は37°CのCO2 インキュベーターに30分間入れて温めておいて下さい。
  2. 5 mLコニカルチューブ内で25% BSAストック2 mLとDMEM/F-12 with 15 mM HEPES48 mLを混合し、1%BSA含有DMEM/F-12洗浄液を調製します。本プロトコールの作業中、この洗浄液は室温(15 - 25°C)に静置しておきます。洗浄液は2 - 8°Cで6ヶ月まで保存が可能です。
  3. 15 mLコニカルチューブに、室温(15 - 25°C)の1%BSA含有DMEM/F-12洗浄液2 mLを添加します。
    ご注意: 細胞生存率の顕著な低下を防ぐため、細胞は解凍後すぐにこのチューブに移す必要があります。
  4. 37℃のウォーターバスにクライオバイアルを入れ、凍結オルガノイドを解凍して起眠します。凍結していた培地が液体になれば解凍は完了ですが、この時チューブの底にオルガノイドを目視できます。37°Cでの解凍は2〜2.5分として下さい;培地の温めすぎは培養時のオルガノイド生育効率に影響を与える可能性があります。
  5. クライオバイアルは開封前に70%エタノールかイソプロパノールで外側を拭いて下さい。1000 µL ピペットを用いて1 mLの1% BSA 含有DMEM/F-12をクライオバイアルに直接添加し、上下に4回ピペッティングしてクライオバイアルの内容物を混合します。その後すぐに、予め湿らせた1000 µL ピペットを使って内容物を2 mL の1% BSA 含有DMEM/F-12が入った15 mL コニカルチューブに移します。
  6. 1 mLの1% BSA 含有DMEM/F-12でクライオバイアルのサンプルをさらに2回洗浄し、コニカルチューブに移します。クライオバイアルの内壁、蓋の内側も洗浄するようにして下さい。
  7. オルガノイド懸濁液は200 x g、2 - 8°Cで5分間遠心して洗浄し、CryoStor® CS10を除去します。上清は注意深く除去して下さい。泡立てないようにおこなって下さい。もしも遠心後に泡が見られた場合は、上清を吸引する前に泡を先に注意深く吸引して除去して下さい。
  8. 200 µLのピペットチップで室温(15 - 25°C) の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)100 µLを添加してオルガノイドを再懸濁します。
  9. 200 µLのピペットチップで100 µLのMatrigel®を添加します。上下にピペッティングを5〜10回おこない、サンプル全体の密度と粘度を均一にします。泡立てないようにおこなって下さい。
  10. 予め湿らせた200 µLのピペットチップを使用し、温めておいた24ウェルの4つのウェルの中央にそれぞれ50 µLのオルガノイド懸濁液をドーム状になるように液滴を作って播種します。プレーティングの際の泡立ちを防止するため、ピペットの押し出しは第一ストップまでにして下さい。Matrigel®を凝固させるためにオルガノイドを37°C、CO2濃度5%で10分間インキュベートします。
  11. 室温(15 - 25°C) の完全培地(IntestiCult™ Organoid Growth Medium)750 µLをMatrigel® ドームが入ったウェルに添加します。添加はピペッティングでおこないますが、ウェルの内壁から穏やかに培地を伝わらせて添加します。ドームの上から直接培地を添加しないで下さい。
  12. 全ての未使用ウェルに無菌PBSを入れて下さい。
  13. 培養プレートに蓋をかぶせ、37°C、CO2濃度5%でインキュベートします。培地交換は週3回おこなって下さい。
  14. 良好な結果が得られるよう、以前に凍結されていたオルガノイドは解凍後に2回の継代をおこないます。凍結を経たオルガノイドの生育速度は緩慢になります。オルガノイドは解凍後5〜7日後には継代できる状態になっている必要があり、その後の継代は5日ごとにおこないます。解凍後1回目の継代の後、オルガノイド生育の際の典型的特徴が回復している必要があります (Figure 9)。
    ご注意: オルガノイドの凍結解凍を繰り返しおこなうことはお勧めしません。
    FotoJet (1).jpg

    Figure 9. 凍結されていた腸オルガノイドの培養の光学顕微鏡像
    解凍したオルガノイドはMatrigel® MatrixとIntestiCult™ Organoid Growth Mediumの混合比1:1で作ったドーム内で37°C、CO2濃度5%で培養しました。 (A)Passage 0, Day 5(培養5日後、継代0回); (B) Passage 1, Day 6(培養6日後、継代1回)

IntestiCult™ についてのよくあるご質問(FAQ)

  • IntestiCult™ Organoid Growth Mediumを室温(15 - 25ºC)ではなく37ºCのウォーターバスで解凍することはできますか?

    分注しているIntestiCult™ Organoid Growth Mediumをご使用前に37°Cウォーターバスで解凍することは可能です。しかしこの方法で解凍した培地を再凍結することはお勧め致しません。

  • なぜ陰窩の分離は冷却DMEM/F-12を使用して4ºCでおこなうのですか?

    腸陰窩へのダメージを最小限にするため、陰窩分離は4°Cでおこなわれます。

  • 腸断片は2 mmより大きくなっても大丈夫ですか?可能なサイズ範囲を教えて下さい。

    腸断片は2 mmであれば本プロトコールにより洗浄と陰窩の解離を効果的におこなうことができます。腸セグメントが2 mmよりも大きくなると、必要な濯ぎの回数が増え、陰窩の回収率も低下します。

  • 小片は重力で落ちてくるのを待つのではなく遠心で落とすことは可能ですか?もし可能な場合には遠心速度を教えて下さい。

    STEMCELL Technologies社では小片は遠心ではなく重力によって落として頂くことを推奨しています。洗浄の際に遠心をおこなうと不純物も一緒に落ちてしまう可能性があるためです。また、陰窩の分離の際に遠心をおこなうと陰窩がペレットになり回収率が低下する場合があるためです。

  • 各Fraction 1 mLあたりの陰窩の個数をカウントする際、なぜ多層構造の組織片を数えないのですか。また、もしもそれらが凝集した陰窩でないとすると、それらは何なのでしょうか?

    大きくて多層構造からなるフラグメントであれば、陰窩の分離工程で取り除かれなかったデブリであると考えられます。これらは幹細胞を含まないため、オルガノイドになることはありません。このようなフラグメントはより初期の陰窩フラクションで濃縮される傾向があり、後期のフラクションを使用することによりこれらの多層構造のフラグメントは排除できます。

  • マウス腸陰窩を用いた腸オルガノイドの培養プロトコールのステップ5で、なぜ冷却したIntestiCult™培地は使用できないのですか?もしも誤って冷たい培地を使ってしまったらどうしたらいいですか?

    冷たい培地ではマトリクスが溶解するため、陰窩とMatrigel® Matrixを混合には室温の培地を使用する必要があります。もしも室温に温まっていない培地を使用してしまった場合には、予め温めておいた24ウェルプレートにそれをプレーティングする前に室温まで温めて下さい。一度培地とMatrigel® Matrix が混ざり合うと凝固が始まるため、素早く作業しなければならないことにご留意ください。具体的には、4つのウェルに30-60秒以内で播きつける必要があります。もしもこの時間内に播くことができない場合には混合物を少し氷上で冷やすと再び粘度を下げることができます。

  • マウス腸オルガノイドの継代プロトコールのステップ11で、もしも温かいDMEM/F-12を使用した場合はどのようなことが起こりますか?

    STEMCELL Technologies社では、剥がれたオルガノイドのペレットの洗浄には冷却したDMEM/F-12を使用することをお勧めしています。温かい培地を使用すると洗浄の間に細胞へのダメージがあり回収量が下がる可能性があります。

  • オルガノイド培養での播種密度が推奨の密度(200個/ウェル)よりも高い、または低い場合にはどのようなことが起こりますか?

    オルガノイドは近くに他のオルガノイドがあった方がよく成長しますが、播種密度が高すぎると培養系に負荷がかかります。1ウェルあたり200個以上の密度でオルガノイドを播種することはお勧めしておりません。しかし、1ウェルあたり400個で播種した場合でも2回の継代でオルガノイドは回復することが判明しています (Figure 10)。推奨よりも低濃度で播種した場合には、一回継代すると回復することが示されています。
    Fig10.png

    Figure 10. 以前凍結保存したオルガノイドを用いた腸オルガノイド培養。播種密度が高すぎる場合のオルガノイド培養の光学顕微鏡像
    400個の凍結保存オルガノイドを解凍し、Matrigel® MatrixとIntestiCult™ Organoid Growth Mediumの混合比1:1の培養ドーム(50 µL)に播種して37°C、CO2濃度5%でインキュベートしました。(A) Passage 0, Day 5(継代0回、培養日数5日)と(B) Passage 1, Day 6(継代1回、培養日数6日)


  • 凍結保存の前後で品質低下してしまったオルガノイドは回復しますか?

    健康でシングルセル状態の腸幹細胞が培養系中に存在している場合には、以前に品質低下したオルガノイドでも一回継代すると回復することが示されています(Figure 11)。こういったオルガノイドでは通常、必要な培養日数が通常より3〜5日多くなり、十分なサイズのオルガノイド集団を得るために複数回の継代が必要になります。
    Fig11.png

    Figure 11. 凍結保存の前後で品質が低下した凍結オルガノイドを用いた腸オルガノイド培養系の光学顕微鏡像。
    Matrigel® MatrixとIntestiCult™ Organoid Growth Mediumの混合比1:1のドームでオルガノイドを培養し、37°C、CO2濃度5%でインキュベートしました。(A) Passage 0, Day 5(継代0回、培養日数5日)と(B) Passage 1, Day 6(継代1回、培養日数6日)

製品情報

製品 サイズ 商品番号
IntestiCult™ Organoid Growth Medium (Mouse) 1 Kit
(100 mL Complete Medium)
ST-06005
Gentle Cell Dissociation Reagent 100 mL ST-07174
Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline (D-PBS) Without
Calcium and Magnesium
500 mL ST-36254
Matrigel® GFR and Phenol Red-Free Basement Membrane Matrix 10 mL (Corning®) 356231
CryoStor® CS10 100 mL ST-07930
Bovine Serum Albumin (BSA) --- ---
Costar® 24 Well Clear TC-Treated Multiple Well Plates,
Individually Wrapped, Sterile
50 plates (Corning®) 3526
Thermo Scientific™ Nunc™ Biobanking and Cell Culture
Cryogenic 1.8 mL Tubes
450 Tubes (Thermo Fisher®)12-565- 167N
Falcon® 70µm Cell Strainer 50 strainers (Corning®) 352350

参考文献

  1. Clevers H. Modeling Development and Disease with Organoids. Cell 165(7):1586-97, 2016
  2. Lancaster MA & Knoblich JA. Organogenesis in a Dish: Modeling Development and Disease Using Organoid technologies. Science 345(6194):1247125, 2014
  3. Sato T et al. Single Lgr5 Stem Cells build Crypt-Villus Structures In Vitro Without a Mesechymal Niche. Nature 459(7244):262-5, 2009
  4. Sato T et al. Paneth Cells Constitute the Niche for Lgr5 Stem Cells in Intestinal Crypts. Nature 469(7330):415-8, 2011
  5. Yui S et al. Functional Engraftment of Colon Epithelium Expanded In Vitro from a Single Adult Lgr5+ Stem Cell. Nat. Med. 18(4):618-23, 2012
  6. Farin H et al. Paneth Cell Extrusion and Release of Antimicrobial Products is Directly Controlled by Immune Cell- derived IFN- J Exp Med 211(7):1393-1405, 2014
  7. Nozaki K et al. Co-culture with Intestinal Epithelial Organoids Allows Efficient Expansion and Motility Analysis of Intraepithelial Lymphocytes. J Gastroenterol 51(3):206-13, 2016
  8. Schwank G et al. Functional Repair of CFTR by CRISPR/Cas9 in Intestinal Stem Cell Organoids of Cystic Fibrosis Patients. Cell Stem Cell 13(6):653-8, 2013
  9. Koo BK et al. Controlled Gene Expression in Primary Lgr5 Organoid Cultures. Nat. Methods 9(1): 81-3, 2011

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