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2019/06/28

【TeSR-E8 vs 他社製品】 低コストでDefinedなES/iPS細胞培地

  • 用途別細胞培養

TeSRTM-E8TMは、ヒトES/iPS細胞用のフィーダーフリー、動物性成分フリー(Animal Component-Free)の培地です。
最も論文掲載されている多能性幹細胞用フィーダーフリー培地であるmTeSRTM1を開発した主要研究グループ、Dr. James Thomson(G. Chen et al., Nature Methods (2011))の研究室によって開発されたE8の組成(DMEM-F12、NaHCO3、L-Ascorbic acid、Selenium、Transferrin、TGF-beta、FGF2、insulin)に基づいています。
mTeSR1と同様に、TeSR-E8は最高レベルの品質と配慮の下で作られています。ES/iPS細胞の維持に必須とされる要素だけを含む、よりシンプルな培地です。
STEMCELL Technologies社では150以上の培地条件を比較し、更に成分から容器まで全ての要素にまでこだわって製品化しております。

TeSR-E8の特長

  • iPS/ES細胞維持に必要最低限の8要素だけを含む、低タンパクな無血清培地(タンパク量はmTeSR1の1/400)
  • Animal Component-Free*の組成;フィーダーフリー培養
  • 細胞塊のサイズ・プレーティング密度の調節次第で、継代間隔を4 - 7日の間で希望する期間に調整可能
  • 週末の培地交換不要なプロトコールあり(週末の培地交換が不要に!ヒトES/iPS細胞メンテナンスのための新プロトコール
  • 長期の継代培養でも増殖・多能性を維持
  • マトリックスにリコンビナントのVitronectin XF(製品コード:ST-07190)を使用すれば、毎回同一で明確な条件かつゼノフリーで培養可能

* Animal Component-Free, ACF, 動物性成分フリーの定義(STEMCELL Technologies社)
 ・ 完成品には、動物(ヒトを含む)の組織や体液、あるいは動物の組織や体液から単離または精製された成分は含まれていません。
 ・ 動物細胞株または発酵プロセスで生産されたものを含む、動物または非動物の組み換えタンパク質が含まれることがあります。
 ・ 動物由来の成分は、特に明記しない限り、製造の2次または3次レベルで原材料として使用されている可能性があります。

TesR.png

TeSR-E8 vs 他社製品

他社製品と比較した、TeSR-E8のアドバンテージ

  • 継代の回数: TeSR-E8は週1回 vs 他社製品は週2回
  • 他社製品では、継代により実験の手間と培地コストがかかる
  • TeSR-E8は継代の数が少ないので、細胞へのストレスが最小限(継代による細胞へのストレスを示唆する事例報告あり)
    abc0705.png※カタログスペックでの比較(2019年7月現在)。継代は1回20分。培地交換は1回2.5分として算出。

TeSR-E8の高い性能

高い増殖能の維持

TeSR-E8での細胞培養は、mTeSR1と比べても同等またはそれ以上の高い増殖効率が観察されています。

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Fig.1 TeSR-E8培地+Matrigelマトリックスで10継代にわたって培養されたヒトESおよび、iPS細胞(茶)の増殖能(1継代当たりの平均増殖倍率+/- SEM)を示しています。比較のために同様のプロトコールを用いてmTeSR 1培地で培養されたヒトES細胞(灰)の増殖能も示しました。このデータは、代表的な細胞株において6〜7日の培養後に継代した例です。

TeSR-E8は、Corning® Matrigel® hESC-qualified matrixとともに使用できます。あるいは完全な組成のゼノフリー培養系のために、definedなVitronectin XFとともに使用する事もできます。

細胞形態の維持(TeSR-E8 + Matrigelの場合)

TesR4.jpg

Fig.2 TeSR-E8 + Matrigelで培養した未分化ヒトES細胞(H9)(A)およびヒトiPS細胞(WLS-1C)(B)は、幹細胞の特徴である顕著な核小体および高い核対細胞質比(S/N)を保持しています。

細胞形態の維持(TeSR-E8 + Vitronectin XFの場合)

TesR5.png

Fig.3 継代最適時期にTeSR-E8 + Vitronectin XFで培養したヒトESおよびiPS細胞は、高い核対細胞質比と、顕著な核小体を有しています。Matrigel上で成長したコロニーと比較して、Vitronectin XF上で培養したコロニーは、より凝縮した丸い形態と、より拡散(diffuse)した不規則な形を示します。

未分化マーカー発現の維持

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Fig.4 TeSR-E8培地で培養したヒトES細胞(H9)およびヒトiPS細胞(WLS-1C)は、フローサイトメーター解析により、10回以上継代後も高レベルの未分化マーカー(OCT-4とSSEA-3)を発現していることが示されました。(青と赤は、サンプル;黒は、二次抗体のみ)

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Fig.5 TeSR-E8培地で18継代後のH1細胞を、OCT4免疫染色した画像です。OCT-4(緑)マーカーは明らかに高レベルで発現していました。

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