HLA(ヒト白血球型抗原)技術情報用語集
HLAエピトープ(Epitope)、エプレット(Eplet)
HLAエピトープとはHLA抗原の抗原決定基で、抗体認識部位のことを言います。
1つのHLA抗原には複数の抗体認識部分(エピトープ)が存在し、異なるHLA抗原間で共有しています。HLA抗原のアミノ酸配列に基づく抗体認識部位の分類で、アミノ酸の位置と種類で示されます。
HLAに対する抗体のFab 部分がHLA 抗原の立体構造の一部分を認識します。
特定のアミノ酸配列を中心に、半径15Å(オームストロング)内で、定義される抗原上の抗体認識部位をエピトープと呼び、Functional Epitope(機能的エピトープ)とStructural Epitope(構造エピトープ)に分類されます。
半径3Å(オームストロング)程度の範囲内のアミノ酸がEplet で、抗体が抗原を認識する際に重要な要素となります。
通常は横並びの3アミノ酸がエピトープとなり、2~3 個のアミノ酸集団をtripletと定義しています。また、アミノ酸位置が離れていてもエピトープとなりうることがあり、この場合もEpletと呼称されます。
Functional EpitopeとEpletはほぼ同じと考えられます。
2024年8月現在のエプレット登録数は、Class I は252個、DRB1/3/4/5 は124個、DQは83個、DPは62個となっています。
従来はHLA抗原と抗体の反応性からグループ分けをしたCREG(Cross Reaction Group)と呼ばれる表が存在していました。
CREGはその反応性の経験則から導かれたものであるのに対して、Epitopeはアミノ酸配列から導き出されたものであるともいえます。
【HLA Fusion】
移植におけるHLAエピトープの解析にはHLAMatchmaker 機能を持つOne Lambdaの解析ソフトHLA Fusionが利用可能です。
HLAFusionにはEpitope MatchingとEpitope Analysisという2つの機能があります。
Epitope Matching:PatientとDonorの4桁アレルのHLAタイピング結果を入力することでMismatchの数を表示
Epitope Analysis:LABScreen Single Antigenのデータをもとにエピトープ解析
詳細はHLAMatchmakerの項目をご覧ください。
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