DNA Diagnostic HemaVision HemaVision-28Q
本製品は研究用です。治療および診断目的に使用することはできません。
- 研究用
HemaVision RT-qPCRシリーズは、multiplex RT-qPCR法によって、白血病に関連する各種の染色体転座を検出する試薬です。染色体異常により生じた融合遺伝子をリアルタイムPCR(qPCR)で検出するため、短時間・高感度のスクリーニングが可能です。
本製品は28箇所の転座および145箇所以上の切断点(breakpoint)を検出します。
※本製品は3タイプのPCRチューブがあり、それぞれ製品コードが異なります。お使いのqPCR用サーマルサイクラーに適したチューブを選択してください。
0.1 ml白色タイプ(DND-HV01-28Q-WLP)、0.2 ml白色タイプ(DND-HV01-28Q-WRP)、0.2 ml frostedタイプ(DND-HV01-28Q-FRP)
製品の特長
本製品はmultiplex RT-qPCR法によって、白血病に関連する28箇所の染色体転座および切断点を検出する試薬です。
<HemaVision RT-qPCRシリーズの特長>
- 高い特異性:標的遺伝子に特異的なプライマーを用いたqPCR
- 逆位の検出が可能:FISH法では困難な変異も検出(inv16)
- 結果の解釈が容易:qPCRの増幅結果と対応表より転座箇所を特定
- 正確な実験:内部標準を同時に解析、実験の妥当性を検証可能
- 迅速:抽出RNAから短時間で結果取得(約4時間)
- 簡単な手法:標準的なqPCR用サーマルサイクラーおよびプロトコルを使用
- 低コスト:multiplex qPCRにより1度の実験で複数遺伝子を解析可能
より簡便な解析を行いたい場合は、HemaVision RT-non Nested PCRシリーズや、HemaVision RT-Nested PCRシリーズをご利用ください。
<検出可能な転座箇所および切断点について>
以下の転座箇所が検出可能です。
del1(p32) (STIL-TAL1) | t(5;12) (q33;p13) (ETV6-PDGFRB) | t(9;12) (q34;p13) (ETV6-ABL1) | t(12;21) (p13;q22) (ETV6-RUNX1) |
t(1;11) (p32;q23.3) (KMT2A-EPS15) | t(5;17) (q35;q21) (NPM1-RARA) | t(9,22) (q34;q11) (BCR-ABL1) | t(12;22) (p13;q11) (ETV6-MN1) |
t(1;11) (q21;q23.3) (KMT2A-MLLT11) | t(6;9) (p23;q34) (DEK-NUP214) | t(10;11) (p12;q23.3) (KMT2A-MLLT10) | t(15;17) (q24;q21) (PML-RARA) |
t(1;19) (q23;p13) (TCF3-PBX1) | t(6;11) (q27;q23.3) (KMT2A-AFDN) | t(11;17) (q23.3;q21) (KMT2A-MLLT6) | inv(16) (p13;q22) (CBFB-MYH11) |
t(3;5) (q25;q34) (NPM1-MLF1) | t(8;21) (q22;q22) (RUNX1-RUNX1T1) | t(11;17) (q23;q21) (ZBTB16-RARA) | t(16;21) (p11;q22) (FUS-ERG) |
t(3;21) (q26;q22) (RUNX1-MECOM) | t(9;9) (q34;q34) (SET-NUP214) | t(11;19) (q23.3;p13.1) (KMT2A-ELL) | t(17;19) (q22;p13) (TCF3-HLF) |
t(4;11) (q21;q23.3) (KMT2A-AFF1) | t(9;11) (p21.3;q23.3) (KMT2A-MLLT3) | t(11;19) (q23.3;p13.3) (KMT2A-MLLT1) | t(X;11) (q13;q23.3) (KMT2A-FOXO4) |
〇検出遺伝子とチューブの組み合わせ
<実験ステップについて>
① total RNA抽出
全血、細胞株、単核球、骨髄細胞などからRNAを抽出します。
② cDNA合成
製品に含まれているcDNA合成試薬とチューブを使って、cDNAを合成します。
③ qPCRチューブへの分注
合成したcDNAをqPCR用チューブの23箇所に分注します。チューブにはあらかじめqPCR用の試薬が分注されています。23チューブの内、1-6、9-15、17-23は転座箇所および内部標準の検出用、7、8、16はreference gene(ABL1遺伝子)および内部標準の検出用となります。24はネガティブコントロールとなります。
④ qPCR
qPCR装置での増幅を行います。チューブにより、標的とする転座箇所が異なります。FAM標識およびROX標識の増幅産物は転座箇所およびreference gene由来、Cy5標識の増幅産物は内部標準由来となります。
⑤ 転座(切断点)判別
各チューブにおいて、増幅が認められた蛍光の種類と、Ct値を確認します。
<qPCR増幅曲線例>
図a:チューブ1-23におけるCy5標識(内部標準)のPCR増幅曲線
→すべてのチューブで増幅が確認されたため、実験は妥当であると判断されます。
図b:チューブ7、8、16におけるFAM標識(reference gene)のPCR増幅曲線
→Ct値が規定値(各チューブで異なります)以下のため、実験は妥当であると判断されます。
図c:チューブ4におけるFAM標識(転座遺伝子)のPCR増幅曲線
→Ct値が規定値(35)未満のため、チューブ4のFAM標識プライマーで増幅される転座が有ると判断されます。
図d:チューブ1-23におけるROX標識(転座遺伝子)のPCR増幅曲線
→Ct値が規定値(35)以上のため、ROX標識で検出できる転座がないと判断されます。
※サンプルにより、図cやdで表されている、増幅曲線が得られるチューブおよび蛍光標識のパターンが異なります。
増幅結果より、プロトコルの表と照らし合わせ、転座の同定(切断点含む)を行います。図の場合、切断点は t(15;17)(q24;q21)(PML-RARA, bcr3, S-form)となります。
<本製品の構成について>
- cDNA tubes with reaction mix:cDNA合成用試薬入りPCRチューブ(12本)
- qPCR tubes with qPCR reaction mix:qPCR用試薬入り8連PCRチューブ(1セット3本、12セット)
- qPCR tubes:予備のqPCR用チューブ(12本)
- RNase Free Water:ネガティブコントロール、RNA希釈用(2本)
※本製品は3タイプのqPCRチューブがあり、それぞれ製品コードが異なります。お使いのqPCR用サーマルサイクラーに適したチューブを選択してください。0.1 ml白色タイプ(DND-HV01-28Q-WLP)、0.2 ml白色タイプ(DND-HV01-28Q-WRP)、0.2 ml frostedタイプ(DND-HV01-28Q-FRP)
別途以下の製品が必要です。
- qPCR用アダプタープレート:お使いの機種に応じて対応する製品が異なります。
<チューブおよびサーマルサイクラー、アダプターの対応表>
「x」マークのある製品が各機器に対応しています。
下記に記載の無いqPCR機器を使用されたい場合は弊社にお問い合わせください。
*:機器付属のアダプター(製品No. 4359652)をお持ちの場合はそちらをお使いください。
**:初回使用前にHemaVision用のColor Compensation kitを使用して色調補正を行ってください。Color Compensation kitについては弊社にお問い合わせください。
***/****/*****:HemaVision製品付属のチューブでは解析ができません。解析前に各機器に対応した専用のチューブにサンプルを移し替えて解析してください。
<HemaVision RT-qPCRシリーズについて>
7箇所の転座を検出可能なHemaVision-7Qもございます。詳細は製品ページをご確認ください。