STEMCELL Technologies PneumaCult PneumaCult ALI
- 研究用
「PneumaCult™による呼吸器ウイルス感染の研究」最新情報
PneumaCult™-ALI Medium(ST-05001)は、気液界面(Air-Liquid Interface, ALI)でヒト気道上皮細胞を培養する、無血清かつBPEフリーの培地です。本品で培養した気道上皮細胞は、広範囲に粘膜繊毛分化し、in vivo のヒト気道と同様の形態学的および機能的特徴を示す偽重層上皮を形成します。細胞培養用インサートの 12 mm Transwell® inserts または 6.5 mm Transwell® inserts とのセット(ST-05021 または ST-05022)で購入することもできます。
本品は、PneumaCult™-Ex Plus Medium(ST-05040)とともに、in vitro ヒト気道モデルの完全に統合されたBPEフリー培養系を構成します。この堅牢で組成が明確なシステムは、呼吸器の基礎研究、毒性研究、そして薬剤開発向けの有用なツールとなります。
製品の特長
PneumaCult™-ALI Mediumで、ヒト気道上皮細胞を血清・BPEフリーで気液界面培養
- HBECに広範囲な粘膜繊毛分化を誘導し、ヒト気道に近似した偽重層上皮を形成
- 血清及びBPE(ウシ下垂体抽出物)を含まない組成により、変動を最小限に抑制
ヒト気管支上皮細胞(HBEC)培養の流れ
Phase 1 PneumaCult-Ex Plus(または-Ex)培地を用いて、液内でHBECを拡大培養します。
Phase 2 ALI培養初期の拡大培養期には、PneumaCult-Ex Plus(または-Ex)を頂端側および基底側のチャンバーに充填します。
Phase 3 コンフルエンス到達後に両チャンバーから培地を除き、PneumaCult-ALI培地を基底側のみに添加することにより、培養物を空気中に引き上げます。21〜28日間のインキュベーション後に偽重層粘液線毛上皮に分化し、1年以上維持できます。
データ紹介
PneumaCult™-Exで培養したHBECは、PneumaCult™-ALIで気液界面培養すると、偽重層粘膜繊毛上皮へ正常に分化する
PneumaCult™-Exで培養した継代初期(P1-3)のHBECは、PneumaCult™-ALIで28日間、気液界面培養すると正常に分化しました。H&E染色により、上皮の偽重層構造と頂端表面に存在する繊毛が確認されました(A)。過ヨウ素酸シッフ(PAS)染色により、杯細胞の存在が確認されました(B)。繊毛マーカーであるアセチル化(AC)-チューブリン(緑色;C)および杯細胞マーカーであるムチン5AC(緑色;D)の免疫蛍光染色により、繊毛細胞と杯細胞の存在も示されました。基底細胞マーカーである p75NTR(緑)および p63(赤)を用いた免疫蛍光染色により、トランスウェルインサートに沿った基底細胞の適切な位置が可視化されました(E、F)。代表的な合成画像は、DAPIのみで検出された頂端細胞が上皮に沿って位置し、インサートに沿って位置する基底細胞(DAPI、p63、p75NTRの共染色で検出)と密接に接していることを示します(G)。
PneumaCult™-Ex Plus、PneumaCult™-Ex、および気管支上皮細胞増殖培地で培養後、分化したHBECの電気生理学的特性評価
各培地で増殖させたHBEC(P4)をPneumaCult™-ALIを使用してALI培養し、エアリフトから28日目に経上皮電気抵抗(TEER)(A)とイオンチャネル活性の代表的特性(B)を評価しました。アミロライド:ENaC阻害剤。IBMXおよびフォルスコリン:CFTR活性化剤。ゲニステイン:CFTR増強剤。CFTRinh-172:CFTR阻害剤。UTP:カルシウム活性化塩化物チャネル(CaCC)活性化剤。