STEMCELL Technologies TeSR eTeSR
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eTeSR™ は、ヒト多能性幹細胞(hPSC)培養用のフィーダーフリー・無血清培地で、日常的なシングルセル継代の際に遺伝的安定性を改善するよう強化されています。本品の培地組成は、hPSC用フィーダーフリー培地として最も広く論文発表されている TeSR™ (Ludwig et al. Nat Biotechnol, 2006; Ludwig et al. Nat Methods, 2006) に基づいています。
eTeSR™ は、一般的に高密度の細胞をより短期間で継代するシングルセルアプリケーション向けに開発されましたが、日常的な維持培養、遺伝子編集、クローニングのワークフローにも使用できます。eTeSR™ は成分の安定化 (FGF2など)、代謝産物の最適化、緩衝能の向上によって、シングルセル継代に伴う代謝需要の増加や細胞ストレスに対処し、遺伝的安定性の向上した高品質のhPSCを作製できます。培地交換を毎日、または制限して行うどちらの場合にも、同等の高い性能を期待できます。
eTeSR™ は、Corning® Matrigel® hESC-Qualified Matrix (Corning社 #354277) および Biolaminin-521 (BLA-LN521-02) を含む様々な細胞培養マトリックスに適合します。
eTeSR™ 10X Supplement の各ロットは、hPSCを用いた培養アッセイで品質テスト済みです。
製品の特長
eTeSR™ フィーダーフリー培地で、ヒトES/iPS細胞のシングルセル継代による維持を改善
- シングルセル継代と高密度培養に伴うストレスを減らし、hPSCの収量を向上
- 緩衝能の強化、主要成分の安定化、代謝産物の最適化によって、さまざまな給餌スケジュール下で細胞品質を保持
- 遺伝子編集、クローニング、分化、凍結保存のプロトコルに適合し、研究ワークフローを完結可能
- 自発的な分化を回避
データ紹介
eTeSR™ でシングルセル培養したhPSCは、細胞増殖と接着が改善
(A) Corning® Matrigel® コートプレート上でシングルセル継代を行い、eTeSR™ で維持した未分化のヒト ES 細胞株(H9)および iPS 細胞株(SCTi003-A, WLS-1C)の代表的な培養形態。eTeSR™ で維持した hPSC は、細胞株間で一貫した均質な形態を示した。
(B) 4つのhPSC株をMatrigel® コートプレート、維持培地(mTeSR™1、 mTeSR™ Plus、eTeSR™のいずれか)、TrypLE™ Expressを用いて11継代にわたりシングルセル継代した。mTeSR™ Plus および eTeSR™ では給餌の頻度を制限し、mTeSR™1 では毎日給餌した。eTeSR™で維持した培養物は、mTeSR™1 および mTeSR™ Plus と比較して増殖速度が向上した。
(C) 播種24時間後のSTiPS-R038 hPSC株をHoechst 33342で染色した代表的な全ウェル画像。Matrigel® コートした96ウェルプレートにhPSCを15,000細胞/ウェルで播種し、10μM Y-27632を添加したmTeSR™1、mTeSR™ Plus、またはeTeSR™のいずれかで培養した。プレートを固定し、Hoechst 33342で染色し、IXM Micro(Molecular Devices社)で画像化した。