ラーニングコーナー
2013/07/04
脳腫瘍幹細胞の培養技術紹介
- 用途別細胞培養
多能性の神経幹細胞様細胞や脳腫瘍幹細胞などのがん幹細胞が、グリオーマや髄芽腫を含む様々な中枢神経がんから単離されています。神経幹細胞に似たこれらの脳腫瘍幹細胞は自己複製し、高い増殖能やin vitroでの多種系統への分化能を示します。脳腫瘍幹細胞の培養は、ニューロスフィア培養や接着単層培養の両方で可能な事が確認されています。これらの培養方法は、グリオブラストーマの個別化医療を含む患者由来プレクリニカルモデルの開発を支援しています。
アプリケーション例
ニューロスフィアアッセイ
神経幹細胞をプレートに接着しない状態で培養し、スフィアの形成能を調べるアッセイ方法
- 脳腫瘍幹細胞における機能情報との臨床的な相関の研究
- 腫瘍の進行速度や死につながるリスクの重要な予測因子の研究
接着単層培養
神経幹細胞をプレートに接着させ、単層を形成させる培養方法
- 様々に異なる化合物や遺伝子のスクリーニングに利用
NeuroCultについて
「NeuroCult」で可能なこと
STEMCELL Technologies社のNeuroCultシリーズは、神経幹細胞を培養するためのシステムです。
脳腫瘍幹細胞の培養においてもさまざまな用途でご利用いただけます。
- 脳腫瘍サンプルからのシングルセル懸濁液の調製
- 異なるタイプの脳腫瘍から得られた細胞の培養
Glioblastoma、Oligodendroglioma、Pilocytic astrocytoma、Ependymoma、Medulloblastoma、Retinoblastoma、Neuroblastoma …など
- 脳腫瘍幹細胞から神経およびグリア系統への分化
- Tumorsphereの継代と解離
詳細なテクニックに関しては下記資料に掲載されている文献をご覧ください。
研究例
- グリオーマ(神経膠腫)におけるマイクロRNAとシグナル経路の調節不全の研究
- 新規グリオーマがん遺伝子の同定
- 固形がん細胞の遺伝子および表現型の不均一性の研究
- 脳腫瘍幹細胞の増殖抑制因子の性能評価
- 中枢神経系がんの動物モデルの評価
- グリオーマ幹細胞の分化系列可塑性の研究
- がん進展 in vivoイメージングのためのグリオブラストーマ蛍光レポーター細胞株の開発