STEMCELL Technologies ImmunoCult ImmunoCult-SF Macrophage
- 研究用
ImmunoCult™-SF Macrophage Medium(ST-10961)は、ヒト単球を in vitroで培養し、適切なサイトカインと刺激の添加によってマクロファージへ分化させる無血清培地です。
マクロファージの分化および活性化のための因子は添加されておらず、ユーザーが要件を満たす組成を柔軟に調製できます。
本培地を用いた6日間または8日間の培養で、ヒト単球をM1(古典的活性化)およびM2a(選択的活性化)マクロファージに分化できます。
製品の特長
ImmunoCult™-SF Macrophage Mediumで、ヒト単球をマクロファージに分化
- 無血清培地で、血清の添加不要
- マクロファージ分化を強力にサポート
- 望ましい表現型と機能をもつマクロファージを高収量で取得
- わずか6日で、M1またはM2マクロファージを回収
培地成分
- Iscove’s MDM
- ウシ血清アルブミン(試験済み)
- 組み換えヒトインスリン
- ヒトトランスフェリン (iron-saturated)
- 2-メルカプトエタノール
- 添加物
マクロファージ分化のワークフロー
図1. M1またはM2a活性化マクロファージ作製のプロトコル
ImmunoCult™ SF Macrophage Differentiation Medium(ImmunoCult™ SF Macrophage Medium (ST-10961) + ヒト組換えM-CSF (ST-78057))による培養で、単離された単球から単球由来マクロファージ(MDM)を作製します。
8日間のプロトコル (下段) では、4日目に新鮮なImmunoCult™-SF Macrophage Differentiation Mediumを補充し、6日目に適切な刺激を加えて特定のマクロファージ活性化を促進します(M1活性化にはIFN-γ + LPS、M2a活性化にはIL-4)。8日目に完全に成熟したM1またはM2aマクロファージを回収し、下流アプリケーションで使用します。
6日間のプロトコル (上段) では、マクロファージ活性化を4日目の補充ステップと同時に実行でき、6日目に回収します。
データ紹介
図2. ImmunoCult™-SFは、M1およびM2aマクロファージ収量が他社製無血清培地よりも優れています
単球をImmunoCult™-SF Macrophage Mediumまたは他社の無血清マクロファージ培地で培養し、8日間のプロトコル(図1)を使用してマクロファージに分化させました。8日目にマクロファージを回収、カウントし、フローサイトメトリー分析によりマクロファージマーカーCD80、CCR7、CD206およびCD209の発現を評価しました。
(A)M1マクロファージはCD80+CCR7+、(B)M2aマクロファージはCD206+CD209+の表現型を示しました。マクロファージの収量は、0日目当初の単球数に対する8日目の生細胞総数のパーセンテージで示しています。マクロファージの収量は、他社の無血清培地よりもImmunoCult™-SFの方が有意に高くなりました(P < 0.05, paired t-test; mean ± SEM; n=18-19)。
図3. ImmunoCult™-SFで作製した活性化マクロファージは適切なサイトカインを分泌します
マクロファージをImmunoCult™SF Macrophage Mediumで作製し、8日間のプロトコルでIFN-γ + LPS(M1)またはIL-4(M2a)を使用して活性化しました。8日目に、M1およびM2aマクロファージ培養物から上清を回収し、TNF-α、IL-12(p70)およびIL-10の濃度をELISAによって決定しました。
(A)M1マクロファージは2821 ± 396 pg/ml TNF-α(n = 24)および 656 ± 86 pg/mL IL-12(p70)(n = 25)を分泌しました。
(B)M2aマクロファージは29 ± 6 pg/mL IL-10(n = 21)を産生し、TNF-αを産生しませんでした(検出限界未満、n = 20)。データは平均 ± SEMで示しています。