STEMCELL Technologies STEMdiff Human iPSC-Derived Retinal Pigment Epithelial Cells
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高品質で使いやすいHuman iPSC由来網膜色素上皮(RPE)細胞で網膜研究を始めましょう。本品は高度に特性化された健常コントロールヒト人工多能性幹細胞(iPSC)株のSCTi003-A(製品コード:ST-200-0511)または SCTi004-A(同:ST-200-0769)に由来する凍結保存RPE細胞です。
(ST-200-0912, ST-100-2150はSCTi003-A由来、ST-200-0913, ST-100-2151はSCTi004由来)
解凍後、これらのRPE細胞はSTEMdiff™-XF RPE Maturation Medium(同:ST-100-1365)を用いて成熟させ、長期培養で維持できます。5週間成熟させると、RPEに特徴的なマーカーが高発現し、色素沈着した多角形の形態、極性化、視細胞外節(POS; Photoreceptor Outer Segment)の貪食能など、機能的成熟を示すようになります。このRPE細胞は、無血清、動物成分不含のSTEMdiff™-ACF RPE Differentiation Kit(同:ST-100-1367)を用いて製造されています。最適な生存と接着のためには、STEMdiff™-XF RPE Maturation MediumとSTEMdiff™-ACF RPE Plating Supplement(同:ST-100-1364)を併用して細胞を融解し、播種してください。
本品は研究用製品で、学術用および商業用の両方で承認されています。血液サンプルは、Institutional Review Board(IRB)またはその他の規制当局が承認した同意書およびプロトコルを用いて倫理的に提供されます。ドナーの詳細および供給元細胞バンクの細胞品質評価については、このページのデータ図をご参照ください。
その他詳細は、よくある質問 ~凍結iPS細胞~を参照ください。
製品の特長
由来iPS細胞対応表
由来iPS細胞株 | 商品コード | 梱包単位 |
---|---|---|
SCTi003-A(健常女性ドナー由来) | ST-200-0912 | 1x106細胞 |
ST-100-2150 | 1x106細胞 x 3 vial | |
SCTi004-A(健常男性ドナー由来) | ST-200-0913 | 1x106細胞 |
ST-100-2151 | 1x106細胞 x 3 vial |
特長
- 高度に特性化されたコントロールiPSC株由来の高品質な分化RPE細胞を使用して、実験を迅速に開始
- 5週間で機能的に成熟し、視細胞外節(POS)を貪食できる極性化した色素細胞を取得
- STEMdiff™-XF RPE Maturation Mediumで成熟および長期的なRPE細胞の維持が可能
- 網膜疾患のモデリング、治療法の発見、再生医療などの用途に柔軟に利用可能
データ紹介
ヒトiPSC由来網膜色素上皮(RPE)細胞はRPEの形態的特徴を示す
凍結保存したヒトiPSC由来RPE細胞を解凍し、150,000cells/cm²でCorning® Matrigel®コートプレートにプレーティングしました。RPE細胞は、STEMdiff™-ACF RPE Plating Supplementを添加したSTEMdiff™-XF RPE Maturation Mediumで7日間維持し、その後はSTEMdiff™-XF RPE Maturation Mediumのみで維持しました。細胞は37℃でインキュベートし、その後、明視野顕微鏡で各時点で分析しました。代表的な顕微鏡画像では、63日以上の培養後、RPE細胞が期待される形態を示しています。
ヒトiPSC由来網膜色素上皮(RPE)細胞は35日目に成熟し機能する
ヒトiPSC由来RPE細胞を解凍し、STEMdiff™-XF RPE Maturation Mediumで少なくとも35日間培養し、RPEの成熟を示しました。
(A)PMEL17、CRALBP、EZRIN、およびRPE65を発現する2つの異なるiPSC株由来のRPE細胞の割合をフローサイトメトリー解析により評価しました。データは平均値±SEMとして報告されています(n = 4)。
(B,C)成熟RPE細胞はCRALBPの高発現を示し、細胞境界におけるZO-1とBEST1の局在が示唆する通り、広範なタイトジャンクションを示します。
(D,E)成熟RPE細胞は極性化し、EZRIN(立体投影)とRPE65のような視覚サイクルに必須なタンパク質を発現しています。これらのマーカーは蛍光顕微鏡で可視化されています。
ヒトiPSC由来網膜色素上皮(RPE)細胞はRPEの主要な機能を示す
ヒトiPSC由来RPE細胞を、STEMdiff™-XF RPE成熟培地中で細胞培養インサート上で35日間培養しました。成熟RPE細胞から頂端側と基底側の条件培地を採取し、サンドイッチELISAを行って血管内皮増殖因子(VEGF)と色素上皮由来増殖因子(PEDF)の分泌量を定量しました。
(A)インサートを用いた細胞培養系の断面模式図。2つのiPSC株由来の成熟RPE細胞は、(B)VEGFを基底側に、(C)PEDFを頂端側に高レベルで分泌し、正しい頂底極性を示しました。(D)成熟RPE細胞もまた、高い経上皮抵抗(TER)を持つ強力なバリアを形成しました。(E)さらに、成熟RPE細胞にFITC標識したウシ視細胞外分節(POS)を4~5時間与えたところ、効率的にウシPOSを内在化しました。データは平均値±SEMで示しました。