ラーニングコーナー
2021/11/09
細胞分離を成功させるために
- 細胞分離
細胞分離商品※をお取り扱いいただくための注意事項です。ご使用前に必ずお読みください。
※ 本稿ではSTEMCELL Technologies社のEasySep、RosetteSep、SepMateについて記載しております。
EasySepの場合
EDTAについて
EDTAは細胞分離の結果にが大きく影響します。EDTAが含有されている推奨Mediumなのか、EDTAフリーのMediumなのかを必ずプロトコルで確認を行ってください。
もし、EDTAを添加する場合は、K2EDTAもしくはK3EDTAをご使用ください。
Ca2+、Mg2+について
Ca2+、Mg2+も細胞分離の結果に影響を与えます。Ca2+、Mg2+の有無を必ずプロトコルで確認を行ってください。
凍結PBMCをスタートサンプルとして使用する場合
凍結PBMCを使用する場合にはDNase I処理を行ってから使用してください。DNaseはCa2+やMg2+で活性化することから、EDTAを含有するMediumは使用しないでください。
温度について
EasySepは室温で操作する製品が多くございます。分離に使用するサンプル、Medium、抗体カクテル、磁気ビーズが冷蔵保存されている場合は、室温になったことを確認してから操作を始めてください。
撹拌方法について
試薬や磁気ビーズを添加後は、軽く指ではじくようにして撹拌してください。(卓上遠心機は使用しないでください。)
磁気ビーズについて
保管状態によっては、磁気ビーズが重合してしまうことがございます。バイアルの底にたまっている場合は、30秒以上ボルテックス操作を行ってください。こちらの操作による品質の劣化はございません。
反応時間について
抗体、磁気ビーズの添加後は時間によって回収率や純度に影響します。タイマーを用意して、時間を測定してください
EasySepの操作方法について
チューブについては、下記の2点に注意してください。
・チューブは丸底のポリスチレンチューブをご使用ください。
・チューブはしっかりと奥の正しい位置まで挿入してください。
デカンテーションについては、下記の2点に注意してください。
・デカンテーションを行う際は、人差し指を添えるように操作してください。
・チューブを振り動かしたり、液滴を新しいチューブに入れないようにしてください。
詳しくは下記リンクの動画を見ていただくとよりイメージがしやすくなりますので、是非ご覧ください。
EasySep使ってみた。 | ベリタス (veritastk.co.jp)
動画マニュアル:EasySepで溶液をデカントする際の注意点 | ベリタス (veritastk.co.jp)
RosetteSepの場合
比重液の温度にご注意
比重液は温度によって比重が変わりますので、SepMateでご使用される比重液の温度にご注意ください。
比重液を冷蔵庫で保管していた場合、取り出してからすぐに使用いたしますと、比重が変わり分離がうまくいかないことがございます。
比重液は、必ず室温に戻してからご使用していただくようお願いいたします。
全血の条件に注意
良好な結果を得るために、RosetteSepは採血後24時間以内の全血サンプルをご使用ください。また、保存温度は室温にて保存を行ってください。
SepMateと組み合わせてご使用される場合の注意点について
また、実際ご使用いただいた際に赤血球のコンタミネーションが生じることがございますが、そちらを防ぐために下記の点にご留意ください。
1.デカンテーション操作の動作を以下の動画にあるような形でスムーズにおこなう。
(デカンテーション操作では3秒前後で傾けていただくことをお勧めしております。気泡が下のチェンバーに入ると赤血球の層が出てきます)
2.ピペットの吸引の強さにご注意。
(ピペットの先端を壁面に沿って吸っていただくことと、もしそれでも改善しない場合、ワイドボアピペットのご使用をお勧めしております。対流によって赤血球が舞い上がることがございます。)
3.比重遠心時にバランサーの重さを1g単位まで合わせる。
(遠心分離の際にバランサーの重量がサンプルと異なっていると振動が発生し、比重液層と上清が混ざってしまいます。特にSepMateはプラスチックのパーツの分、影響が出るので注意が必要です)
2 g単位の差でも結果に影響が出ることがございますので、遠心前にバランサーの調整をお願い致します。
4.血液を穏やかにいれること
壁面を伝わせながら穏やかに血液をお入れください。
SepMateの場合
SepMateの使用方法や注意点につきましては、以下の使用説明書をご確認ください。
比重液の温度にご注意
比重液は温度によって比重が変わりますので、SepMateでご使用される比重液の温度にご注意ください。
比重液を冷蔵庫で保管していた場合、取り出してからすぐに使用すると、比重が変わり分離がうまくいかないことがあります。
赤血球のコンタミネーションにご注意
赤血球のコンタミネーションを防ぐために下記の点にご留意ください。
1.デカンテーション操作の動作を以下の動画にあるような形でスムーズにおこなう。
(デカンテーション操作では3秒前後で傾けていただくことをお勧めしております。気泡が下のチェンバーに入ると赤血球の層が出てきます)
2.比重遠心時にバランサーの重さを1g単位まで合わせる
(遠心分離の際にバランサーの重量がサンプルと異なっていると振動が発生し、比重液層と上清が混ざってしまいます。特にSepMateはプラスチックのパーツの分、影響が出るので注意が必要です)
2 g単位の差でも結果に影響が出ることがございますので、遠心前にバランサーの調整をお願い致します。
3.血液を穏やかにいれること
壁面を伝わせながら穏やかに血液をお入れください。