ラーニングコーナー
2013/11/08
ヒトES/iPS細胞からの神経誘導を最短6日でおこなう単層培養プロトコールのご紹介
- 用途別細胞培養
ヒトES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞を神経前駆細胞に分化させるためのプロトコールは、過去にさまざまな方法が報告されています。ここ数年神経誘導のプロトコールでは、ストローマ細胞との共培養もしくは胚様体(EB)を形成させる方法が主に有効とされていました。 また、最近の研究ではヒトES細胞やiPS細胞を単層培養系で神経誘導する方法が報告されています。
STEMdiff Neural Induction Mediumで単層培養
STEMCELL Technologies社から販売されているSTEMdiff Neural Induction Medium(製品コード:ST-05835、ST-05839)は、ヒト多能性幹細胞から神経前駆細胞を産生するための組成の明確な無血清培地です。標準プロトコールではEBを形成させ神経ロゼットを選択することで、濃縮された神経前駆細胞を12日間で得られます。また、新たに報告された単層培養系での神経誘導にも対応しており、この場合は6-9日間で神経前駆細胞を得ることが可能になります。
なお、本プロトコールは、STEMdiff Neural Induction MediumにSMADi Supplementが追加されたキット「STEMdiff SMADi Neural Induction Kit」(製品コード:ST-08581、08582)でも可能です。
単層培養プロトコールの特徴
- 最短6日間で神経前駆細胞を得ることが可能
- EBを形成させずに効率的な神経誘導が可能
- mTeSR1もしくはTeSR-E8のいずれかで培養した多能性幹細胞に利用可能
- ES細胞およびiPS細胞の両細胞株でバリデート済み
プロトコールの比較
EBプロトコールと単層培養プロトコールの比較を模式図で表示しました。
神経前駆細胞の形態比較
EBプロトコールと単層培養プロトコールにおける、神経前駆細胞の形態の違いを下図に表しました。