ログインVERI+CLUB へログインが必要です。
メールアドレス
パスワード

パスワードを忘れた方

ラーニングコーナー

2020/07/22

「WIESLAB」 優れた特異性をもつ補体活性測定ELISAキット

  • 創薬支援

Svar Life Science(旧Euro Diagnostica)社のWIESLAB® Complement Systemは、
血清サンプル中の補体活性をin vitro で測定できるELISAキットです。
3つの補体活性化経路である、古典経路、代替経路(第二経路、副経路)、MBL経路(レクチン経路)のそれぞれにおいて補体活性を測定するキットを提供しております。

※本製品は研究用です。臨床用途には使用できません

補体と活性化経路

補体の役割と活性化経路

1-1.jpg

補体とは、様々な免疫反応を引き起こす血中タンパク質です。補体は活性化を受けることによって、その作用を発揮します。
生体防御における補体の役割は、
① オプソニン化(異物標識)と貪食細胞による微生物の貪食と破壊
② 低分子補体成分による白血球の局所動員と活性化
③ 膜侵襲複合体(membrane attack complex, MAC)形成による溶菌
の3つと考えられます。

補体を活性化させる経路には、古典的経路(CP)、代替経路(AP)およびMBL経路(レクチン経路、LP)の3つがあります(左図)。
主要な補体因子は1から9の番号を付したC1~C9(Complement1~9)で表されます。
また補体活性化時に生じる分解産物は一般的に分子量が小さい方に「a」、大きい方に「b」が付されます。

いずれの活性化経路においてもC3bの形成は重要です。
C3bは微生物や異物の細胞表面上に補体の足場を作り、補体活性化を誘導します。
補体系で最も重要な分子の一つであるC3は、補体系血清タンパク質の中で最も多く、血中濃度は全抗体量とほぼ同じです。
C3が欠損すると、微生物感染に極めて易感染性になることが明らかになっています(文献1)。


補体関連疾患

補体系は必須の生体防御システムの一つで、欠損すれば自然免疫ばかりか宿主の防衛に絡んだ様々な病態を引き起こします。代表的な疾患を以下に示します(文献1)。

        • 自己免疫性疾患
          全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus, SLE)
          関節リウマチ
          自己免疫性溶血性貧血
          重症筋無力症
          加齢黄斑変性(age-related macular degeneration, AMD)
        • 遺伝性血管性浮腫(hereditary angioedema, HAE)
        • 発作性夜間ヘモグロビン尿症 (PNH ; paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)
        • 血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy, TMA)
          非典型溶血性尿毒症症候群 (atypical hemolytic uremic syndrome, aHUS)
          血栓性血小板減少性紫斑病(TTP ; thrombotic thrombocytopenic purpura)
        • 髄膜炎菌感染症

補体活性測定が必要な理由

  1. 補体欠損症は、感染症や自己免疫疾患と関連します
    古典経路の欠乏はSLE、糸球体腎炎、および感染症への感受性に、代替経路の欠乏は淋菌感染に関連します。
    補体系の3つの経路の機能を研究することが、欠乏をスクリーニングする優れた方法となります。
  2. 補体系の過剰活性化または調節不全は、免疫、炎症、神経変性、虚血および加齢に関連するさまざまな疾患の病理に寄与します
    補体の活性化は、外傷、ショック、敗血症などの急性状態で発生します。
    また、慢性炎症性障害や、SLE、血管炎などの自己免疫疾患、移植や生体材料に対する免疫応答においても重要な役割を果たします。
  3. 新しい治療法は、補体活性の阻止または増強を標的とします
    臨床領域で補体の重要性に対する認識が高まった結果、多くの薬剤候補がパイプラインに入っています。
    これらの薬剤開発とモニタリングのため、3つすべての補体経路で効力と有効性を機能的に評価することが不可欠です。

Wieslab Complement System 製品の特長

Wieslab Complement Systemの特長

各活性化経路において補体活性を測定できるキットと、3つの経路で補体活性を測定できるスクリーニングキットがあります。これらによるアッセイは、各経路の活性化を選択的に検出することができ、他の経路からの干渉を受けることはありません(文献2)。

  • キットに含まれる検出用抗体は、補体活性化の最終産物膜侵襲複合体(membrane attack complex, MAC)の C5b-9エピトープを認識します。
    活性化の最終産物を検出するので、結果は補体機能を直接反映しています
  • 副経路とレクチン経路に対する唯一のELISA製品です
  • アッセイは3時間以内で終了します
  • 操作は一般的な ELISA と同様に簡便に行えます
  • アルカリホスファターゼによる高感度な測定システムです
  • 測定波長(吸光度): 405 nm
  • ストリップウェルなので、試料数に応じた測定が可能です
  • 溶血アッセイと比べ、ロット間のバラつきが低減できます
  • 実験動物(サル、ブタ(文献3))でも試験可能です

補体活性測定ELISAの原理

Wieslab Complement Systemでは、マイクロタイターストリップのウェルが古典経路、MBL経路、または代替経路に特異的な活性化剤でコーティングされており、他経路の活性化を阻害するブロッカーを含む希釈液で希釈された血清をウェル内でインキュベートすることで、経路特異的な補体活性化が起こります。
ウェルを洗浄し、MAC形成中に発現した新抗原に対する特異的なアルカリホスファターゼ標識抗体でC5b-9を検出します。さらに洗浄後、アルカリホスファターゼの基質を含む溶液でインキュベーションすると、特異的抗体の検出結果が得られます。
補体活性化の量は色の強さと相関し、吸光度(光学密度(OD))で測定されます。

Wieslab測定原理.jpg

動画製品紹介: WIESLAB

WIESLABが補体系に関する創薬プロジェクトをどのようにサポートするかご紹介します。

Wieslab 古典経路活性測定用キット

classical-pathway-in-the-Complement-System.jpg

Wieslab Complement System Classical Pathway

古典的経路による補体活性化機能を測定できるキットです。
他の経路による補体活性化をブロックする物質の存在下で、
活性化最終産物であるMACの生成を検出します

詳細は製品ページへ>>

Wieslab 代替経路活性測定用キット

Alternative-pathway-in-the-Complement-System.jpg

Wieslab Complement System Alternative Pathway

代替経路(第二経路、副経路)による補体活性化機能を測定できるキットです。
他の経路による補体活性化をブロックする物質の存在下で、
活性化最終産物であるMACの生成を検出します。

詳細は製品ページへ>>

Wieslab MBL/レクチン経路活性測定用キット

lectin-pathway-in-the-Complement-System.jpg

Wieslab Complement System MBL Pathway

MBL経路(レクチン経路)による補体活性化機能を測定できるキットです。
他の経路による補体活性化をブロックする物質の存在下で、活性化最終産物であるMACの生成を検出します。

詳細は製品ページへ>>

Wieslab スクリーニング用キット

Wieslab Complement System Screen

上記3つの各補体活性化経路測定用のプレート・希釈液が含まれ、補体活性化機能障害がどの経路に起因するものかをスクリーニングできます。
詳細は製品ページへ>>

参考文献

  1. 若宮伸隆:分かりやすい補体の基礎と知っておきたいその病気 【FOCUS】「補体」シリーズ2017~2018, 第1回
  2. Seelen MA et al. Functional analysis of the classical, alternative, and MBL pathways of the complement system: standardization and validation of a simple ELISA. J Immunol Meth 2005; 296: 187–198
  3. Salvesen B and Mollnes TE. Pathway-specific complement activity in pigs evaluated with a human functional complement assay. Mol Imm 2009;6:1620-1625

関連記事リンク

優れたセルベースアッセイ「iLite」でのサイトカイン検出とは?

なぜ「生体試料のお問い合わせ」ならベリタスなのか

This material/graphic was originally published by Svar Life Science AB and should be evaluated in the context of the original publication.

® or ™ are trademarks belonging to Svar Life Science AB and/or its affiliates, used under permission of the Svar Life Science group of companies. All rights reserved.

関連製品

記事に関するお問い合わせ