ラーニングコーナー
2022/05/09
実験の悩みを解決!Dynabeadsアプリケーション紹介シリーズ
- 細胞分離
弊社より配信しているメールマガジンのバックナンバーになります。主に磁気ビーズであるDynabeadsに関連するアプリケーション・実験に役立つ情報をお送りしています。
バックナンバー
Vol.17
THIOMAB抗体とXTENポリペプチドを組み合わせた 均質な高DAR抗体薬物複合体プラットフォーム |
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今回紹介する論文では、低分子を細胞特異的に運ぶための有効な手段である抗体薬物複合体(ADC)として、システイン改変(THIOMAB)抗体と組換えXTENポリペプチドを組み合わせた新しいバイオコンジュゲーション・プラットフォームの開発について述べられています。 従来の低い薬物抗体比(DAR)のADCと比較して、高いDARのTXCは腫瘍や黄色ブドウ球菌に対する抗体媒介送達(AMD)が改善されていることが実証されています。 本研究において、弊社取り扱いのDynabeadsTMは以下のような場面で活用されております。
参照:Chem Sci. 2022 Mar 16; 13(11): 3147–3160. Neelie Zacharias, Vladimir N Podust, Kimberly K Kajihara, Douglas Leipold, et al. |
Vol.16
DNAプルダウンアッセイのDynabeads活用事例を紹介! 転写因子TEAD1のプロテオミクス解析 |
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本論文では、転写因子TEAD1を介してヒトパピローマウイルス(HPV)の長い制御領域(LCR)に結合する転写補因子を同定するために、子宮頸がん細胞(Ca Ski細胞)の核タンパク質をin vitroでDNAプルダウン精製し、次にプロテオミクス解析がおこなわれました。その結果、子宮頸がん細胞の核に局在し、TEAD1との直接相互作用を介してLCRに結合する炎症性サイトカインS100A9が同定されています。 S100A9を同定するための重要なステップであるDNAプルダウンの工程では、弊社取り扱いのDynabeads M-280 Streptavidinが活用されております。再現性が高く、高品質なDNAプルダウンのための試薬をお探しの方はぜひDynabeadsをお試しください。 参照:Journal of Virology, 2023 Aug; 97(8): e00815-23. Seiichiro Mori, Yoshiyuki Ishii, Takamasa Takeuchi, Iwao Kukimoto |
Vol.15
酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)にもDynabeads! |
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論文では、尿中の膀胱癌および前立腺癌バイオマーカーEN2を迅速かつ高感度に比色検出するためのEN2特異的アプタマーと、高感度かつ特異的な酵素結合オリゴヌクレオチドアッセイ(ELONA)が報告されております。EN2特異的ssDNAアプタマーをin vitroセレクションする工程では、弊社取り扱いのDynabeads His-tag Isolation & PulldownおよびDynabeads MyOne Streptavidin C1の2製品が活用されております。開発されたアッセイは高い特異性を示し、他のがんマーカーを含む他の尿タンパク質を検出しませんでした。ELONAは、安価で再現性が高く、化学的安定性に優れており、膀胱がんや前立腺がんを早期に発見するための診断ツールとして期待されます。 参照:Scientific Reports volume 12, Article number: 11523 (2022). Eunseon Kim, Minji Kang & Changill Ban |
Vol.14
IPにおける抗体の共溶出にお困りの方へ Dynabeads Protein Gに抗体を架橋して免疫沈降 |
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本論文では、IDOがPeroxynitriteによってニトロ化され不活性化されること、IDOタンパク質のTyr15のニトロ化がIDOの不活性化においてもっとも重要な要因であることが示されています。実験では、免疫沈降されたIP-IDOとリコンビナントIDOが使用されており、弊社取り扱いのDynabeads Protein Gと抗ヒトIDO抗体を架橋することでIP-IDOを免疫沈降します。架橋することにより抗体の溶出を防ぎ、ターゲットのタンパク質のみを精製することが可能です。 参照:J Immunol (2006) 176 (1): 372–379. Hidetsugu Fujigaki,et al. |
Vol.13
Dynabeadsを使ったマウス内皮細胞の分離 |
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本論文では、内皮細胞(EC)から骨芽細胞(OSB)への移行が正常な骨形成時にも起こるかどうかを検討しており、その結果、OSBの内皮由来に関する新しいパラダイムが示唆されています。マウスCD31陽性細胞の単離ではrat anti-mouse CD31抗体を結合した磁性粒子Dynabeads M-450 Sheep anti-Rat IgG (DB11035)が利用されており、培養アッセイの前処理に有効活用されておりますのでぜひご参考ください。 参照:Volume 26, Issue 2, 17 February 2023, 105994 Song-Chang Lin,et al. |
Vol.12
NKp44を標的としたCAR-T細胞の作製と評価 Dynabeads T-Activator |
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本論文では、腫瘍細胞に高発現しているNKp44リガンドをターゲットとしたCAR-T細胞の作製と評価をおこなっております。NKp44を用いて作製されたCAR-T細胞は腫瘍細胞に対して特異的な認識と抑制を示しており、将来的なCAR-T細胞療法への応用が期待されております。CAR-T細胞の作製工程におきましては、弊社取り扱いのT細胞活性化用Dynabeads、また末梢血からのT細胞濃縮にはRosetteSepが利用されております。ぜひご覧ください。 参照:Transl Oncol . 2022 Nov;25:101521. Yudai Murayama, et al. |
Vol.11
Dynabeadsで感度を最適化! イムノアフィニティLC-MS/MSアッセイのご紹介! |
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クローン病治療における薬効評価として標的タンパク質であるIP-10 (CXCL-10) 抑制の高感度測定が必要とされています。本論文では、フリーおよびトータルIP-10を定量するための高感度イムノアフィニティ LC-MS/MSアッセイを紹介しています。アッセイ感度を最大化するための重要なポイントとして、Dynabeads™磁気ビーズを用いたイムノキャプチャーステップの条件最適化が詳述されております。ぜひご参考ください。 参照:Bioanalysis. 2017 Oct;9(20):1573-1588. |
Vol.10
Dynabeadsを使ったHIVウイルス濃縮法をご紹介! |
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ウイルス研究においてウイルスの濃縮は必要不可欠です。ウイルスの濃縮には通常、超遠心や濾過のような高額な設備が必要になります。「Dynabeads™ Intact Virus Enrichment」は強力に正に帯電する磁気ビーズで、陰イオン交換クロマトグラフィーの原理でHIVのような負電荷をもつウイルス粒子を短時間で濃縮できます。今回紹介するアプリケーションでは、Dynabeadsで濃縮したHIVウイルスの逆転写酵素の活性を、RNAテンプレートに対して合成されたcDNAを定量することで測定しています。 参照:Berit Marie Reed and Ketil W. Pedersen Thermo Fisher Scientific, Inc |
Vol.9
Dynabeadsを使った腎糸球体分離のスタンダード! |
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ポドサイト(糸球体足細胞)を得る目的などで、腎臓から糸球体分離する方法が試行錯誤されてきました。今回は、マウス心臓を通した灌流によりPBSで希釈したDynabeads™ M-450 Tosylactivatedを糸球体の内部に分布させた後、磁力を用いて傷害なく純度の高い糸球体を分離する例を紹介します。これは従来法であるSieving 法よりはるかに効率が良く、純度は97%を超えています。 原著:American Journal of Pathology 161 (2002) 799–805. |
Vol.8
Dynabeadsの意外な使い道! マクロファージの貪食試験のアプリケーションを紹介 |
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今回紹介する論文では、病原体感染の応答として放出されるシグナルがマクロファージの貪食作用に与える影響を、マウスのⅡ型肺胞上皮細胞と肺胞マクロファージのTranswell®を用いた共培養実験で調べています。 また、同研究ではDynabeadsがマクロファージに取り込まれる(貪食される)性質を利用したファゴサイトーシスアッセイにおいて、リガンド結合処理をしていない素体のDynabeads™ M-450 Epoxyが使われています。 原著:Tissue and Cell 37 (2005) 213–222. |
Vol.7
関節リウマチ研究での活用例:唾液サンプル中のシトルリン化ペプチド検出にDynabeadsを使用! |
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ペプチドのシトルリン化はタンパク質中のアルギニン残基が酵素反応で修飾されることで生じます。シトルリン化はアルギニンの正電荷消失によりタンパク質の構造に大きく影響し自己抗原として認識されるため、関節リウマチ(RA)の発症に深く関わると考えられています。 原著:PLoS ONE. 2022 Mar 23; 17(3): e0265687. |
Vol.6
自己免疫疾患研究においてon-beads精製した事例を紹介 ! |
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自己免疫疾患の研究において、自己の成分に対する自己抗体の反応性を分析することが重要です。 今回紹介する論文では、シェーグレン症候群の病変部位である唾液腺に浸潤したB細胞から作製したリコンビナント自己抗体の反応性を、ストレプトアビジン結合ペプチドタグ(SBP-tag)を付加したリコンビナント自己抗原を結合させたDynabeadsを用いたOn-beads精製、およびFACS解析で調べています。 原著:Ann Rheum Dis. 2020 Jan; 79(1): 150–158. |
Vol.5
Dynabeadsを活用した質量分析サンプル調製プロトコルを紹介! |
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これまで、診断や予防目的でBordetella pertussis(百日咳菌)などさまざまな細菌表面の膜タンパク質(トランスポーター、トキシン、アドヘシンなど)が特徴付けられてきました。これらのタンパク質サブセットは宿主細胞や病態形成、抗体免疫とも関わることから臨床的にも重要と考えられています。本文献では、Dynabeadsを使用した新規の百日咳菌抗原の同定のための質量分析(nLC-MS/MS: nano-liquid chromatography mass spectrometry)プロトコルを紹介しています。 Methods and Protocols, Methods in Molecular Biology, vol. 1722. |
Vol.4
タンパク質1分子のダイナミクス研究でもDynabeadsが活躍! |
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生体分子は外部環境の変化や基質の結合をトリガーとした構造変換や自己集合、あるいは他分子との相互作用といった動的現象を介して独自の機能を発現しています。 それらの分子の振る舞いを高精度に計測することで、生体分子がどのように機能しているか、その分子機構の理解につながります。高品質な磁性粒子であるDynabeadsを用いたMagnetic tweezerは力学的操作を加えながら生体分子間の相互作用を計測し、ダイナミクスを把握するのに役立ちます。本論文ではこれを利用してタンパク質の折り畳み/展開のダイナミクスを調べています。 bioRixv January 05, 2021 Alonso-Caballero A., Tapia-Rojo R., Badilla C.L., Fernandez J.M. |
核酸アプタマーの探索にもDynabeadsが活躍! |
核酸アプタマー(Nucleic acid aptamers)は抗体に代わる分子認識が可能な物質として、医薬品を含む様々な分野での応用が期待されています。 Dynabeadsは、標的となる抗原タンパク、レクチンなど種々のものをビオチン-アビジン相互作用あるいは化学結合を介してビーズ表面に結合することができ、液相中で標的分子と結合させることができます。反応終了後には、磁石により容易に標的分子複合体を分離できるためSELEX法に最適です。 ラーニングコーナー |
Vol.3
Dynabeadsを活用すればオルガネラの分離もできます! |
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オルガネラ(細胞小器官)に局在する膜タンパク質は疎水性が高く、分離が難しいと言われています。しかしながら、Dynabeadsを用いてターゲットを濃縮することにより、プロテオミクス研究においてタンパク質の同定、分析が容易になります。 ※リンク先の情報は掲載当時のものです。 |
Vol.2
CAR-T研究にもDynabeads!幹細胞様メモリー>T>細胞(TSCM)とは!? |
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幹細胞様メモリーT細胞(TSCM)は、その名の通りメモリーT細胞の幹細胞であり、長寿命で高い抗腫瘍活性を示すことから、これらの知見は患者への細胞移入後に生じるT細胞疲弊(T cell exhaustion)の防止に役立つ可能性が期待されています。 Cancer Res. 2020 Feb 1;80(3):471-483. Taisuke Kondo; Makoto Ando; Nao Nagai; Wataru Tomisato; Tanakorn Srirat; Binbin Liu; Setsuko Mise-Omata; Mari Ikeda; Shunsuke Chikuma; Hiroshi Nishimasu; Osamu Nureki; Mitsuyo Ohmura; Noriyo Hayakawa; Takako Hishiki; Ryosuke Uchibori; Keiya Ozawa; Akihiko Yoshimura |
制御性T細胞(Treg)の研究でもDynabeadsが活躍! |
Dynabeads T-Activator CD3/CD28 はT細胞刺激試薬のゴールドスタンダードといわれていますが、活性化T細胞へのFoxp3誘導(制御性T細胞の誘導)においても優れた作用を示すことが分かりました。 Sci Immunol. 2019 Oct 25;4(40):eaaw2707. Masahiko Akamatsu, Norihisa Mikami, Naganari Ohkura, Ryoji Kawakami, Yohko Kitagawa, Atsushi Sugimoto, Keiji Hirota, Naoto Nakamura, Satoru Ujihara, Toshio Kurosaki, Hisao, Hamaguchi, Hironori Harada, Guliang Xia, Yoshiaki Morita, Ichiro Aramori, Shuh Narumiya, Shimon Sakaguchi |
Vol.1
高感度なゲノム解析手法がDynabeadsで簡単に! |
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「CUT&Tag」はソニケーション不要でChIP-seqより少ない細胞数で検出できる方法で、Dynabeadsを用いることでアグリゲーションを低減し、様々な細胞で安定して操作が可能になります。Dynabeadsを使えば、安定したCUT & Tag法を再現できます。 PLoS One. 2021 Nov 16;16(11):e0259846. doi:10.1371/journal.pone.0259846. eCollection 2021. Yasuhiro Fujiwara, Yuji Tanno, Hiroki Sugishita, Yusuke Kishi, Yoshinori Makino, Yuki Okada |
ChIP-seq法にもDynabeads! |
Dynabeadsを使った共免疫沈降やChIP-seq法により、減数分裂の開始に決定的な役割を担う新規の転写活性化因子MEIOSINの同定に成功しています。 Dev Cell. 2020 Feb 24;52(4):429-445.e10. doi: 10.1016/j.devcel.2020.01.010. Epub 2020 Feb 6. Kei-Ichiro Ishiguro, Kumi Matsuura, Naoki Tani, Naoki Takeda, Shingo Usuki, Mariko Yamane, Michihiko Sugimoto, Sayoko Fujimura, Mihoko Hosokawa, Shinichiro Chuma , Minoru S H Ko, Kimi Araki, Hitoshi Niwa |
無料サンプル申し込み
「Dynabeads Protein A/G」、二次抗体結合ビーズ「Dynabeads M-280 Sheep anti-Mouse IgG/anti-Rabbit IgG」、His-Tag融合タンパク質精製用「Dynabeads His-Tag Isolation & Pulldown 」の無料サンプルはこちらからお申し込みください。
初めてIPを行いたい方や、他の方法でIPを行っていてDynabeadsによるIPを試したい方が対象です。