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ラーニングコーナー

2020/07/22

優れたセルベースアッセイ「iLite」でのサイトカイン検出とは?

  • 創薬支援

Svar Life Science(旧Euro Diagnostica)社が提供する「iLite®」は生物学的試料に含まれるサイトカインやそれに対する抗体、あるいは関連するバイオ医薬品成分の活性を測定するバイオアッセイのためのユニークなキットです。
レポーター遺伝子を導入した細胞が発現するルシフェラーゼの量により被検物質を測定します。
この製品を使用することで、薬剤の効力測定と定量化、中和抗体(neutralizing antibody, NAb)の検出、および免疫原性の評価を幅広いターゲットに対して同一フォーマットで実施することができます。

本稿では、iLiteおよびサイトカイン検出用細胞の特長をご紹介します。

iLiteのセルベースアッセイとは

iLiteの特長

iLite2020.jpg

iLiteはシンプルなレポーター遺伝子アッセイ技術に基づいたユニークなセルベースアッセイで、薬剤の生物活性(効力)および中和抗体(NAbs)の評価に使用できます。

図のように、標的分子が細胞表面の特異的レセプターに結合すると、レポーター遺伝子であるホタルルシフェラーゼが発現し発光シグナルとして検出されます。

一方、細胞数や血清マトリックス効果を正規化するため、第二のレポーター遺伝子であるウミシイタケルシフェラーゼが内部標準として恒常的に発現しています。



iLiteでは標的に対するシグナル伝達経路が維持されているため、作用機序(Mechanism of Action, MoA)を正確に反映した生物学的関連性の高い結果が得られます。
また、比類ない特異性を備えているため、構造の類似した薬剤を区別することが可能です。

iLiteの主な特長

  • 高度に特異的なレポーター遺伝子をもつ細胞株
  • 鋭敏な応答(10倍超の発現誘導)
  • Ready-to-useの凍結細胞
  • 1日以内にアッセイ完了
  • 正規化遺伝子によりマトリックス効果を回避

iLiteの作業手順

Step 1 細胞を解凍する
Step 2 細胞を播種し、試料を添加する
Step 3 インキュベートし、シグナルを読み取る

iLite_protocol.jpg



iLiteの細胞は調製時に、高い再現性と優れた性能が得られるタイミングで分注し、凍結保存されています。
そのため細胞培養を必要とせず、わずか3段階でアッセイを完了し、時間とコストを節約できます。
ロット間およびアッセイ間のバラつきも最小限に抑えられます。

従来法とiLiteの比較

セルベースアッセイ

従来のセルベースアッセイ(増殖および刺激アッセイ等)にはさまざまな課題が存在します。
iLiteのセルベースアッセイは以下のように解決法を提供します。

従来法の課題 iLiteで解決できること
細胞培養に起因する変動 凍結細胞のため培養は不要
シグナル特異性の低さ 非常に特異的で受容体選択的なシグナル
非特異的な干渉(血清マトリックス効果など) 第二のレポーター遺伝子による正規化
所要時間の長さ(数日間) 1日以内で完了
正確な定量化の困難さ 発光シグナルを簡単に定量化

リガンド結合アッセイ

リガンド結合アッセイは、セルベースアッセイに比べて薬剤の作用機序(MoA)の模倣に適していませんが、薬剤耐性・感度・堅牢さなどの利点があり、薬剤候補の評価の初期段階で貴重な情報が得られることもあります。
多くの場合、セルベースアッセイをリガンド結合アッセイで補完することが最良のアプローチとなります。
免疫原性に関する両方のアッセイに対し、Svar Life Science社は開発・支援する能力と経験を備えております。

動画解説:iLiteテクノロジーの特長

iLiteセルベースアッセイの仕組みと利点を分かりやすくご紹介します。

iLiteのアプリケーション

医薬品開発プロセスを途切れなくサポート

iLiteのセルベースアッセイは、医薬品開発のプロセス全体を通じて利用することができ、同一のレポーター遺伝子細胞株で多くのアッセイをカバーできることが大きな利点です。
たとえば、以下のようなアプリケーションにおいて、正確で生物学的関連性の高い結果を提供します。

  • 新規薬剤候補のハイスループットスクリーニング
  • 生物活性(効力)の評価
  • CMCロットリリース試験
  • 免疫原性(中和抗体)の評価
  • バイオシミラーと先発薬の直接比較
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製品紹介:TNF-α関連バイオ医薬品成分測定キット

iLiteによるTNF-α関連バイオ医薬品成分測定

iLite TNF-alpha Assay Ready Cellsを用いることで、TNF-α活性と抗TNF-α薬活性、および抗TNF-α薬の中和抗体(NAb)を検出することができます。バイオ医薬品の前臨床試験、生産量や精製過程/回収のモニタリング、および製品リリースに向けた効力検定での使用に適しています。

バイオ医薬品成分の活性測定

レポーター細胞(左図)の表面に存在するTNF-α受容体への標的(TNF-α)の結合を特異的な発光シグナルとして検出します。TNF-αに作用するバイオ医薬品成分(抗TNF-α薬)の濃度が高まるとTNF-αに吸着して受容体との結合を阻害するため発光が観察されなくなります(右図)。

iLite_TNFcell.jpg
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中和抗体の検出

抗TNF-α薬に対する中和抗体が存在すると、抗TNF-α薬とTNF-αとの結合を阻害しTNF-αが受容体と結合できるようになるため発光が観察されます。

iLite_TNFnAb.jpg

製品の特長

  • 不完全なTNF-αと活性TNF-αが区別できないELISAと異なり、活性TNF-αのみを定量できます
  • TNF-αに特異的で、IL-2やTGF-β1に反応しません(下図)
  • 血清マトリックス効果を補正できます
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iLite TNF-alpha Assay Ready Cellsの詳細は製品ページへ>>

製品紹介:インターフェロン-α/β/ω測定キット

iLiteによるヒトⅠ型IFN測定

iLite Type I IFN Assay Ready Cellsを用いることで、ヒトⅠ型インターフェロン(IFN α/β)の活性、およびIFNに対する中和抗体(NAb)を検出することができます。
IFNが受容体に結合すると、レポーター遺伝子のISG15(IFN-Stimulated Gene, 15 kDa)のプロモーター領域に存在する ISRE(IFN Sensitive Response Element)の制御下にある下流のルシフェラーゼが発現します。
ルシフェラーゼの発現量を最大化するため、短縮型SV40プロモーター、ヒト3-globulinイントロン、poly A配列が付加されています(下図)。

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製品の特長

  • 総タンパク質量(不活性型あるいは部分的に分解した被検物質を含む)を測定するELISAと異なり、受容体との結合活性を有する物質のみを測定できます
  • 活性型の被検物質の量に依存してルシフェラーゼが発現します(下図)
  • ロット間差が少なく、再現性の良い測定結果が得られます
  • IFNレセプターを高発現しているレポーター細胞株が選択されています
  • 1細胞当たりのレセプター分子の数が一定になるように細胞増殖速度が最適化されています
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iLite Type I IFN Assay Ready Cellsの詳細は、製品ページへ>>

This material/graphic was originally published by Svar Life Science AB and should be evaluated in the context of the original publication.

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