STEMCELL Technologies HepatiCult HepatiCult Organoid Kit (Human)
- 研究用
HepatiCult™ (Human)は、生理学的関連性の高いヒト肝臓オルガノイドを確実に樹立、増殖、および分化させることができます。ヒト肝臓オルガノイドは、細胞株や動物モデルなどの伝統的なモデル系と比較して、肝臓の発達、再生、代謝、および疾患の研究向けのより適切なモデルとなります。
本品 HepatiCult™ Organoid Kit (Human)(ST-100-0386)には、新鮮または凍結保存されたヒト肝臓組織から肝臓オルガノイドを培養するために必要な以下の各コンポーネントが含まれています。いずれも個別に購入できます。
・HepatiCult™ Organoid Initiation Medium(ST-100-0384):さまざまなドナーラインにわたって肝オルガノイドを効率的に樹立します。
・HepatiCult™ Organoid Growth Medium(ST-100-0385):肝オルガノイドを実験やバイオバンキングのために増殖および維持します。
・HepatiCult™ Organoid Differentiation Medium(ST-100-0383):肝オルガノイドを分化させ、CYP3A4活性などの肝機能を示す成熟オルガノイドを作製します。これらのオルガノイドは、2D単層、浮遊培養、ハイスループットアッセイを含むさまざまな培養プロトコルに適用可能です。
ヒト多能性幹細胞(hPSC)由来の肝オルガノイドを、HepatiCult™ Organoid Growth Mediumで作製することもできます。STEMdiff™ Hepatocyte Kit(ST-100-0520)で分化誘導した肝前駆細胞(HP)または肝細胞様細胞(HLC)を使用します。
製品の特長
HepatiCult™ Organoid Kit (Human) でヒト肝オルガノイドを樹立、増殖、および分化
- ヒト肝臓オルガノイドの樹立、維持、分化のための完全な培養系
- さまざまなドナーの肝臓組織から、効率的にオルガノイド培養を開始
- CYP3A4活性のある成熟した肝オルガノイドを作製
- さまざまな培養フォーマットで実験できる柔軟性
肝オルガノイドの樹立、増殖、分化の流れ
HepatiCult™ Organoid Kit (Human)を用いて、正常ヒト肝組織由来の肝管からヒト肝オルガノイドを培養できます。
(A) HepatiCult™ Organoid Initiation Medium (OIM; Human) またはHepatiCult™ Organoid Growth Medium (OGM; Human) (下表参照)で樹立し、続いてHepatiCult™ OGMで継代して増殖します。
(B) HepatiCult™ OGMで2~3回継代した後、HepatiCult™ Organoid Differentiation Medium(ODM; Human)に切り替えることで、オルガノイドをより成熟した肝細胞型に分化させることができます。
HepatiCult™ OGMで、ヒト多能性幹細胞由来の肝オルガノイドを作製できます。詳しくはこちらのページ内 "hPSC由来 肝臓オルガノイドの作製" をご覧ください。
各培養段階に使用が推奨される培地
HepatiCult™ Organoid Kit (Human) の推奨培地の組み合わせは、出発材料や実験目的に応じて異なる場合があります。ヒト肝組織から肝オルガノイドを樹立する場合、効率的に培養を開始するには HepatiCult™ Organoid Initiation Medium (OIM; Human) を推奨します(下図参照)。既に樹立されたオルガノイド(新鮮な培養物または凍結保存されたもの)の増殖には、HepatiCult™ Organoid Growth Medium (OGM; Human) が適しています。これらのオルガノイドは、HepatiCult™ Organoid Differentiation Medium(ODM)でさらに分化させる前に、2~3回継代して維持する必要があります。
詳しくは、製品添付文書(英語マニュアル)をご確認ください。
データ紹介
HepatiCult™ Organoid Kit (Human)で、ヒト肝組織からオルガノイドを効率よく樹立
HepatiCult™ OIMは、複数ドナーの肝組織からのオルガノイド樹立を強力にサポート
HepatiCult™ OGMによるオルガノイドの拡大培養
増殖する肝オルガノイドが示す肝前駆細胞の特徴
増殖する肝オルガノイドは、継代を複数回経ても遺伝子発現を維持
HepatiCult™ ODMによる肝オルガノイドの分化と形態変化
肝オルガノイド分化にともなう、肝成熟と一致する遺伝子発現変化
分化した肝オルガノイドが示す、成熟肝細胞の機能
HepatiCult™ Organoid Kitは、ブタ肝オルガノイドの増殖と分化にも使用可能
肝オルガノイドを用いた毒性スクリーニング
HepatiCult™ Organoid Kit (Human)で作製したヒト肝オルガノイドを用いて、薬剤の毒性スクリーニングが可能
(左) HepatiCult™ OGMで維持した増殖オルガノイドと、HepatiCult™ ODMで分化した分化オルガノイドを用いたスクリーニングの流れ。
(右) 肝オルガノイドは薬剤の毒性に対する高い感受性があります。初代肝細胞(PHH)、HepG2細胞株と比較しています。
詳しくは、学会発表ポスター、プロトコル(STEMCELL Technologies社ウェブサイトに移動します)をご覧ください。